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幻の初恋

「小竜姫ちゃん、一週間ここでいい子に出来るかな?」

横島はチビ小竜姫を抱き上げて優しく聞いた

「お兄ちゃんは…?」

チビ小竜姫は首を傾げて聞いた

「俺は今日帰るよ。 学校もあるしな…」

横島がそう話すと……

「……ヤダ……、いっしょじゃなきゃ……」

チビ小竜姫は目に涙を貯めて今にも泣きそうだ…


「えっ! 困ったな~」


横島は必死にあやすがチビ小竜姫の機嫌は直らない


「うーん、わかったよ。 小竜姫ちゃんのうちがわかるまでだよ?」

横島は困った顔だったが、チビ小竜姫に話した

「うん… いっしょにいるの…」

小さい声で話して、横島にしがみついた

「小竜姫様、というわけなんで、一週間お世話になっていいっすか?」

横島は苦笑いして小竜姫に話した

「私はかまわないですが…、本当に懐いてますね~ 実の娘みたいですよ?」

小竜姫は横島とチビ小竜姫のやりとりを、微笑ましく見ていた

「なんか、懐かれちゃって~ この子人見知りするみたいで、美神さんなんか顔見せただけで泣かれましたから……」

横島はチビ小竜姫を優しく撫でながら話した


「まあ、美神さんは特別ですからね…」

小竜姫は少し苦笑いしていた


それから…


横島とチビ小竜姫と小竜姫は、3人で一週間暮らすことになる…

チビ小竜姫は小竜姫にも比較的早く慣れて懐いた


チビ小竜姫は甘えん坊なのか、横島と小竜姫によく、くっついていた


夜も一緒の部屋で寝たいと言い出して、横島とチビ小竜姫は小竜姫の部屋で布団を並べて寝ていた


さすがの横島もチビ小竜姫がいる場所でセクハラはしなかった…

子供の前では保護欲が勝っているようだった


3人の暮らしを第三者が見れば、仲がいい家族に見えただろう…


そのくらい仲よく生活していた


そして一週間後…


老師とヒャクメが帰ってきた

さっそくチビ小竜姫を調べ出すヒャクメ…

しばらくすると…

「この子は小竜姫自身なのねー」

ヒャクメの発言に横島と小竜姫は固まった

「えっ!? なんで小竜姫様が二人いるんすか?」

横島は不思議そうにチビ小竜姫と小竜姫を見た

確かに同一人物と言われても納得がいるほど似ていた


「それはわからないのねー」

ヒャクメは首を傾げた

その時…

老師が何かを思い出したように話し出す

「そう言えば、昔小竜姫が小さい頃迷子になったの~ あの時は大変な騒ぎになったのじゃ… 次元の裂け目に落ちてしまっての~」

老師は懐かしそうに話した

「本当ですか? 老師!!」

小竜姫は驚き問いただした

「ああ、当時竜神王が過去や未来を探して、やっと見つかったはずじゃ…」

「じゃあ、この子は…」

横島と小竜姫は、話がわからないチビ小竜姫を見つめた

「うむ、その時の小竜姫じゃろうな…」

老師の話に小竜姫は少し恥ずかしそうだ

過去とはいえ、自分が横島に甘えていたと思ったら恥ずかしかったらしい

「老師、この子はどうすれば…」

横島は不思議そうな顔のチビ小竜姫を見た

「竜神王の元に連れて行けば元の時代に帰せるじゃろ…」


老師の話でチビ小竜姫は神界に行くことに決まった


そして、老師がチビ小竜姫を連れて行くため、神界のゲートの前にいた


「小竜姫ちゃん、お別れだよ。 元気でな」

横島は笑顔を作って話した


「いや… いっしょいくの… いやだよ……」

チビ小竜姫は横島に抱きついて泣いてしまった

老師や小竜姫は困った顔で見ている


横島はチビ小竜姫を優しく撫でてあげた

「また、会えるよ。 大きくなったらデートしような! 約束だ! だから小竜姫ちゃんは元気で美人になるんだよ」


横島は優しく優しく話して聞かせた


「ぜったい、また会える?」

チビ小竜姫は泣きながら横島を見上げた

「ああ、その変わりいい子にして、元気に生きて行かなきゃだめだよ 約束だ」

横島はチビ小竜姫と指きりをした


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