「ビッケとクッキは友達なの」

なんとも不思議そうな三人にタマモはビッケとクッキと友達だと笑顔を見せる


「昨日遊びに来た時にすぐに仲良くなったんだよな～」

横島は不思議そうな三人に昨日タマモが二匹と仲良くなったと告げるが、匂いの件には触れなかった

下手に説明しても余計な興味を煽るだけだと感じ流すことにしたらしい


「そうなんだ？　これからも仲良くしてあげてね」

「うん」

匂いの件を若干疑問に感じていた桜子達だが、まだ子供のタマモだし深い意味はないのだろうと追求はしなかった

彼女達からすると横島に話しを聞いていたと考える方が自然であり、加えてビッケやクッキと一緒に生活してる桜子は同じ匂いがしても不思議ではない

匂いに敏感な子供なんだと感じた以上の疑問は続かなかった



その後タマモの帽子を買いに行くという横島に、三人は暇だったらしく着いて行くが今のところタマモは桜子に一番懐いてる

どうやら友達の家族なだけ感じる感覚が違うらしい


「よく似合うわね～　雑誌とかの子役より可愛いわ」

「本当、お人形さんみたいよね」

そのまま三人と一緒に昔ながらの帽子屋に入るが、いつの間にか美砂達がタマモの帽子を選んでいる

かつて傾国の美女と呼ばれた美しさは幼いタマモにも健在であり、本当によく似合うので選ぶのが楽しくなったようだ

タマモに関しては相変わらず意味を理解してないが、やはり空気を読んで大人しく立っている

横島や美砂達が楽しそうだからそれでいいと思ったらしい


「ねえ、どんな服があるの？　買うならある程度服に合わせないと……」

「どんな服あったっけ？」

「マスターが一人で面倒見るんでしょ？　ちゃんと服とか覚えてあげないとダメだよ。　女の子なんだから」

ミニフッションショーのような帽子選びは続くが、いざ帽子を買うかと考えると普段着る服に合わせる必要があると美砂達は言う

しかしタマモの服はまだ少ししかなく、現状で外出ようの服は今着てる他に一着しかない

まさか服がほとんどないと言えない横島はとぼけるが、美砂達に服について説教をされてしまう

現在は横島も昔と違い服装には気をつけているのだが、美砂達からするとまだまだらしく女の子の服装について教えられる立場になっている

実は横島としては最低限のフッションの知識は受け継いだ知識などであったのだが、肝心なことはその知識や情報が世界と年代の違いから若干古いことだろう

流行とズレてると笑われていた


「とりあえず合わせやすい帽子にするしかないわね」

「ちょっとお出かけするなら麦藁帽子とかも似合うわよ」

結局横島ではダメだと感じたのか、三人はタマモに意見を聞きつつ勝手に選び始める

一応予算は聞いていたが、横島が特にないと告げると本当に値段に関係なく選んでいく



「おおっ可愛いぞ～　似合う帽子選んで貰ってよかったな」

そして最終的に美砂が選んだのは遊ぶ時などに被るといい麦藁帽子と、買い物の時などに被るといいリゾートハットであった