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真の歴史へ・その四

その頃、山で人狼を監視していた南部グループの部隊は撤退準備を急いでいた

やはりオカルトGメンの名前は大きく、武装したコマンド部隊でさえ動揺の色は隠せない

そんな中で一人の兵士が銃を構え狙撃の姿勢に入る


「撤退準備完了しました」

「よし、撤退しろ。 俺もこれを撃ったら撤退する」

仲間の人間が次々に撤退していく中、一人の兵士は銃を構えて距離の離れた人狼に標準を合わせる


「悪く思うなよ。 これも仕事でね」

それはたった一発の銃弾だった

兵士の放った銃弾は遠く離れた位置にいた人狼に命中してしまう



「南部の連中が撤退してる?」

「ええ、予定通りなのかは分からないけど……」

一方南部グループが突然の撤退準備を始めた頃、横島達もまた対応を迫られていた

ルシオラは南部グループの部隊が撤退準備を始めた事に気付き監視を強化したが、問題はそれが彼らの計画なのかどうかだった


「オカルトGメンの介入により逃げ出したとも考えられますが……」

「もしくはカモが罠にかかったから予定通りの撤退なのか…… 現時点で判断するのは無理ね」

突然の撤退に横島達は頭を悩ませてしまう

小竜姫は逃げ出した可能性を指摘するが、タマモはより慎重に罠の可能性を指摘する

どちらも現時点では可能性があり、迂闊に決め付ける事は出来なかった


「しかしオカルトGメンを標的にするか? バレたら連中の計画は終わりだぞ」

「バレたらね。 バレなかったらこれほどいいカモは居ないわよ。 それに……事件に関わる霊能者を無差別に狙ってた可能性もあるわ」

判断に悩むルシオラ達三人を前に、横島は南部グループがオカルトGメンを敵に回すような危険を犯すのか疑問を投げかけるが、タマモはバレなければ最高のカモだと告げる

加えて無差別に事件に関わる霊能者を待ってた可能性も指摘し、それがたまたまオカルトGメンだったのではとも推測していた


「確かに開発者の二人は自信があるようなこと言ってたけど……」

「私は可能性の話を言ってるだけよ。 私達の監視に気付いた可能性もゼロじゃないし、結論は出せないわ」

未来で会った南部グループの茂流田と須狩を思い出す横島は、二人が自信家に近かったと思い出しその可能性を考えるがタマモは結論は出せないと言い切る


「とりあえず今日の仕事は日程を変更しましょう。 いつでも現地に行けるようにしなければなりません」

明確な結論が出ないままの状況に、小竜姫はGSの仕事を休み臨戦体制に入ることを決断した

人狼ならば八房を持ってても横島達のうち誰か一人でも確保出来るが、フェンリル化や罠の可能性を考慮すると四人で行動する事が最善だと判断していたのである

敵が誰であれ甘く見れば、そのツケは自分達の命かもしれない

それは横島達とて例外ではなく当然の事だった


「南部グループでオカルトGメンが逃げ出したとしても、それはそれで厄介なのよね。 南部グループに警戒されれば調査に支障が出るわ」

南部グループの撤退理由は分からないが、罠にしても逃げ出したにしても横島達にとってはいい変化ではない

情報収集と調査に全力を上げていたルシオラは苦笑いを浮かべて監視を続ける


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