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真の歴史へ・その四

つぎの日さっそく事件の捜査に向かうために朝早く関西に出発した美智恵達と唐巣達だったが、ピートは車の窓から外を眺めて考え込んでいた



それは昨夜オカルトGメンの会議から戻り、教会の自室に戻った時に遡る

明日には捜査の為に関西に向かう事になっていたピートが寝ようとしていた時、突然部屋の中に横島と小竜姫が瞬間移動でやって来たのだ


「突然悪いな。 ちょっと話があってさ」

「明日ピートさんが行く事件ですが、実は私達も密かに動いてるんです。 それでピートさんに一つ言っておこうと思いまして」

突然部屋に現れた二人にピートは驚き戸惑うが、横島と小竜姫は申し訳なさそうにしつつ手短にと本題に入る


「もしも貴方達があちらで様子がおかしい人狼に会ったらすぐに逃げなさい。 今回の事件は貴方達が考えるより遥かに厳しい事件なのです。 最悪私達が介入しますが、間に合わない可能性もあります。 貴方ならば連れてるメンバーを守り逃げれるでしょう」

普段はなかなか見ないほどの険しい表情の小竜姫に、ピートは冷や汗が流れる気がした

今も時間があれば横島事務所で小竜姫の修行を受けてるピートだが、普段の姿からは想像も出来ないほど険しい表情なのだ


「これは結界札と転移札だ。 転移札は転移先を明確にイメージしないとダメだから気をつけろよ」

「私達の事と今話した事は誰にも言ってはいけませんよ。 残念ですが私達はオカルトGメンとは一緒に仕事が出来ません」

結局横島と小竜姫は言いたい事を言い、特製のお札を数枚渡すとすぐに帰ってしまう

ピートは言われるがまま頷いて返事をしたが、何か自分の知らないところで大変な事が起きてるのをなんとなく感じていた


(横島さんや小竜姫様達は以前からオカルトGメンには否定的だった。 何か深い事情がありそうですね)

時は戻って車の中で考え込むピートだが、今日の仕事が危険だと思うとどうしても緊張せざるおえなかった



「本当にいつもいつも余計な仕事を増やしてくれるわね」

一方横島事務所ではルシオラが少々苛立ちながら、ピート達の監視の調整に入っている

小竜姫の修行の成果もありピート自身は未来の同時期よりもかなり強いが、唐巣や冥子達はそうはいかない

もし唐巣達が捜査中に八房を持つ人狼に出会えば最悪犠牲が出るかもしれないと考えた横島達は、密かにピートに接触した上でルシオラの開発した兵鬼大魔球jrを彼らの監視に付ける事にしていたのである

ちなみに結界札と転移札はタマモの特製であり、八房を防ぐためにかなり強力なものだった


「本当に諦めない人だな~ 時間移動を封印されても弱気になるどころか、ますます強気だもんな」

「娘の命が掛かってるから彼女は諦められないんだわ。 本心では助けを求めたいんだろうけど、真実を知る第三者から考えると美神令子を生かしておく理由がないもの。 アシュタロスとの戦いを考えると、どう考えても美神令子を殺して魂の結晶を確保または破壊した方が世界が生き残る可能性が高いんだから仕方ないわ」

どこまでいっても諦めない美智恵に横島は半分呆れていたが、タマモは他に方法がないと告げる

本来はアシュタロスが気付く前に令子を殺して、魂の結晶を破壊する方が遥かに安全で確実なのだから


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