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平和な日常~夏~

そのままパーティーは続くが最後まで食事をしていた横島達の食事が終わった頃になると、カラオケを一旦休止してあやかの方から今回の麻帆良祭での売り上げなどの報告が始まる

全体で集まる機会は二度とない可能性もあるので、やはりこの場で報告をするらしい


「準備期間を含めた八日間での売り上げは、538万6395円になりました」

売り上げ金額が発表されると会場では僅かにどよめきが起きる

その金額は麻帆良祭で過去有名になった学祭長者と比べると小さい金額だったが、小中学生でも気軽に買える値段設定をして客単価をかなり押さえた割には大きい金額だった

薄利多売という戦略をそのまま実行した今回の成果としては大きいだろう

その結果、今回2-Aと超包子と横島にはそれぞれ約七万円の金額が配分されることになった

この金額が多いか少ないかは判断が分かれるだろうが、学園祭の売り上げ配分としては妥当なところだろう

実際安くて美味しい物を食べた客も提供したメンバーも得をしたことは確かである

唯一支出が多いのは支援した雪広グループだが、こちらは元々麻帆良学園との協力関係や広告宣伝目的のためであり想定の範囲内だった

しかも今回の企画が人気投票で総合一位となった結果、反響が大きく長期的に考えれば少なく見積もってもプラスになるはずなのだ

これは横島が考えたメニューが、一般的には雪広グループが開発に協力したと思われてる点も大きい

その高い完成度からアイデアを出したのが2-Aで、開発は雪広グループだとの認識が一般的なのである


「今回の成功により予想以上の反響と問い合わせが来ております。 従って今後の迅速な対応の為に雪広コンツェルンと超包子は業務提携をすることで正式に合意しました」

その後売り上げに続き経費などの説明が終わると、今回の企画に絡み雪広グループと超包子の業務提携がこの場で発表された

これにより両社は麻帆良祭関連メニューの発売などで共同での販売戦略が可能になり、今後の行動がより早くスムーズに行くことになる

ただこの提携は正直に言えば会社の規模が違い過ぎて少々超包子に有利な提携だったが、雪広グループ側としては天才超鈴音個人への期待値も含まれる提携だった

超鈴音の開発力と技術力は当然雪広グループ側も承知であり、多少条件で融通してでも将来に向けた超鈴音との友好関係の継続も目的に含まれている

まあ超鈴音は過去が不明な点などで不審なところもあるが、それを考慮しても超鈴音の才能は魅力的だった

実際超鈴音には密かにアプローチする企業や国家が後を絶えず、積極的な企業や国家に比べると雪広グループの提携程度は大人しい方である

今回の件はチャンスであることから、一定の業務提携などであまり深入りしない程度に交流を深め超鈴音を見極めようとの思惑が見え隠れする

一方の超鈴音は雪広グループの思惑をある程度見抜いているが、それでも雪広グループとの提携は彼女に全く損がないので知らぬフリをしていた

少し話が逸れるが超鈴音は今回の件をチャンスとして、超包子の大幅な拡大を計画している

今は超包子の屋台は二店舗だけだが、麻帆良祭のだいぶ前から増やす方向で計画していたのだ

超の計画としてはどのみち今回の麻帆良祭で話題を集め、その勢いで超包子を拡大する計画だったのである



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