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平和な日常~夏~

「ようこそいらっしゃいました」

「いや~、凄いな」

そのまま玄関まで進むとあやかとお手伝いさんに出迎えられる横島達だが、場違い感が漂う空気に横島は思わず苦笑いを浮かべてしまう

あやかとしては普通に歓迎して出迎えてるだけだが、凄まじいほどの豪邸と背筋がピンと伸びた笑顔のお手伝いさんに慣れない横島と夕映とのどかは逆に緊張しそうだった


「我が家だと思ってゆっくりして下さい」

「あっ、ありがとう」

百パーセント好意のあやかに横島は笑顔で礼を言うが、豪華過ぎて落ち着かないとは流石に言えないようである


(やっぱ警備も個人レベルじゃないな)

あやかに出迎えられた横島達はそのまま屋敷内を案内されるが屋敷の中はもっと凄かった

白を基調とした屋敷に相応しいような家具やインテリアが、ごくごく自然に存在するのだ

決して上品さを失わない屋敷に、横島と夕映とのどかはすっかり貧乏人丸出しだったが……

さてそんな横島だが興味本位で雪広邸の警備も見ていたが、個人宅には過剰なほどの警備体制だった


(魔法関係者も多いな)

お手伝いさんや執事など雪広邸にはたくさんの人が居るが、何割かは魔法関係者である

それなりの実力はあり、一般的な魔法使いでは上位の部類に入る者も少なくない

門や塀には防犯カメラも当然あったし、緊急時には防御用の結界を展開する準備もしてるのに横島は気づいていた


(安全と平和はタダじゃないからな)

雪広邸の警備が過剰か適正かは人によって判断が別れるだろうが、安全はタダではないし警察は事件にならない限りは守ってはくれない

魔法協会に深く関わる雪広家なだけに必要な警備なのだろうと横島は判断していた


「そうだ、流石に手ぶらって訳にもいかないから土産持って来たんだ。 たいしたもんじゃないけどな」

横島達が案内されたのは応接室というかサロンのような部屋である

そこにはすでに何人かの少女達が到着しており、優雅なお茶やお菓子を楽しんでいた

そんな中で横島は持参した手土産を渡すとあやかは少し驚きの表情を見せる


「あら、ありがとうございます」

「俺が調合したハーブティーと紅茶なんだわ。 口に会えばいいんだけど」

驚きつつも素直に喜ぶあやかに横島はホッとするが、それもそのはずでこの手土産をどうするか横島は結構悩んだのだ

下手な物を持って行ってもダメだしあからさまな高級品もまた芸がないと考えた横島は、結局オリジナルの紅茶とハーブティー用のハーブを数種類にしたのである


「いいんちょ、家の中見学していい?」

「あっ私も見たいな」

一方横島達より一足先に来た少女達は、あやかの姿を見るなり家の中を見学したいと頼んでいた

基本的に落ち着かないのは彼女達も同じらしく、中には初めて来た者も居るようでせっかくだから見学したいらしい



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