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平和な日常~夏~

同じ頃、麻帆良市の外れにあるオフィス街には超鈴音が居た


学園都市として有名な麻帆良だが、当然企業の進出もしてるしオフィス街もある

無論オフィス街も基本的には麻帆良学園の私有地であり、進出企業は麻帆良学園との繋がりがある企業ばかりだ

中でも有名なのは雪広グループ総本社である雪広コンツェルンと、那波グループ総本社である那波重工があることだろう

世界的に知名度が高い両社の本社は麻帆良に存在した

本社機能を麻帆良に置く理由は様々あるが、麻帆良派とも言われる雪広と那波を中心とした企業群の中心地である麻帆良が受ける経済的な恩恵は計り知れない

そもそも麻帆良市は明治に制定された特例法により、都市としての自治を学園に任せられてる都市である

それは長所と短所の両面が存在し、例えばインフラの整備などは基本的には全て自分達で行わなければならない

その代わり麻帆良の税制はこれまた特別であり、企業の法人税の一部などを麻帆良のインフラなどに当てる特例法が存在する

まあ一つ一つの理由を挙げればキリがないが、麻帆良と雪広・那波は切っても切り離せない関係になっていた



さてこの日超鈴音がオフィス街に来ていたのは、雪広グループの会議に参加するためだった

麻帆良祭で好評だった横島と超のメニューを発売することはすでに雪広グループと超包子の双方で内定していたが、発売日時や値段や内容など双方で協力や調整が必要な問題もあったのだ

まあ基本的には麻帆良祭の勢いをそのまま利用したい両社は、共同で発売する方向で調整に入っていたのである


「本当は彼にも協力して欲しいのだが……」

「その件は数日待って欲しいヨ。 あやかサン達と計画を進めてるネ」

会議自体は順調そのものだった

超包子側は超と大学生の女性が数名だったが、それでも雪広グループ側は侮ることはしなかった

まあ雪広グループ側も天才超鈴音を知る者は多く、超包子も決して馬鹿に出来る規模ではない

今後の発売では正式な業務提携を結ぶ予定であった

さてそんな雪広と超の懸案は、主要メニューの発案者である横島が早々に撤退した件である

確かにレシピがあれば販売は出来るが、全く同じだけでは芸がないしインパクトが弱い

超包子も雪広グループもオリジナルプラスアルファが欲しいが、それには横島の協力が欲しいのが実情だったのだ


「結構問い合わせや取材が多いんですよね」

「こっちにも来てるヨ。 調整中だからと断ってるが、早ければ早い方がいいネ」

雪広グループと超包子には、麻帆良祭終了後から麻帆良祭期間中発売したメニューの販売に関する問い合わせや取材が結構来ている

これに関しては期間中よりも反響が大きく、横島が半ば勝手に雪広グループと超包子での販売を予告した為に両社に問い合わせが集中していた

加えて人気投票の順位が確定するとその問い合わせが更に増えており、両社共に対応を迫られている

結局両社は横島をアドバイザーか何かの名目で加えることで一致していた



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