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麻帆良祭

そして次の日となり麻帆良祭まであと二日、麻帆良の街は朝から賑やかであった

この日はパレードや複葉機の曲芸飛行などの大型イベントの最終予行が朝早くから行われており、本番さながらの賑わいをみせている

まあ個別には何ヶ月も前から何度も練習はしているのだろうが、この日は大型のイベントなどを全体的な通しで練習する最初で最後の日だった

基本的に今日から麻帆良祭終了までは麻帆良市内の主要道路は終日通行止めになり、各種イベントや出店などの設置など慌ただしく準備が行われることになる

麻帆良祭は麻帆良学園だけではなく、麻帆良の街全てを上げての一大イベントであった


「おはよう。 久しぶりだな~ 散歩に来たのか?」

さてこの日も日課の庭の手入れと猫のご飯をあげて、最近忙しくて遊んでなかったからと猫達にせがまれてさよと二人で猫と遊んでいた横島だったが、何故かエヴァが茶々丸と一緒に来ていた

茶々丸に関してはほぼ毎日来てることから珍しくないが、エヴァが早朝に来るのは始めてである


「貴様……、まさか見えてるのか?」

横島の挨拶を半ば無視するエヴァはさよを見つめたまま驚いた表情を浮かべてしまう

本来は中等部に居るはずのさよがこの場に居る理由に一瞬で気付いたらしい

というかついさっきまで横島はさよと一緒に猫と遊んでいた為、さよが見える者には当然横島がさよを見えることはバレバレであった


「ああ、さよちゃんとは友達になったんだよ。 夜が怖いって言うから家に住んでるんだ」

「えっ!? 私の話ですか?」

エヴァの問い掛けに横島はさも当然のように友達になったと語るが、誰にも見えないはずの自分の名前が突然出たことで猫と遊んでいたさよは驚き横島とエヴァを見つめる


「さよちゃん、彼女も君が見えてるようだぞ」

「えっ!? でもエヴァンジェリンさんはクラスメートですけど今までは……」

あまりの事態にエヴァは固まっているが、横島は逆にエヴァにもさよが見えてることを暴露してしまう


「あの……、マスターと横島さんは何の話をされてるのでしょうか?」

エヴァが自分を見えてるかも知れないと知ったさよは恐る恐るエヴァの前へ行き話し掛けたり手を振ったりするが、さよが見えない茶々丸は話の意味が分からずに首を傾げる

横島は相変わらずな調子で笑っているだけだしエヴァは固まったままであり、朝からカオスな状況だった


「よかったな、さよちゃん。 二人目の友達ゲットしたぞ」

「はい、ありがとうございます!」

「……ちょっとまて!! 友達とは私のことか!?」

エヴァの目線の動きから見えてることを確認したさよは飛び上がるように喜び、横島はサラっとエヴァをさよの二人目の友達としてしまう

当然のように幽霊と友達になって同居してると言う横島の非常識さに固まっていたエヴァは、いつの間にか友達にされた事実にようやく声をあげる


「クラスメートだろ。 友達でいいじゃんか」

「よろしくお願いします」

自分の意見を無視するように友達にされてしまったエヴァは呆れて物が言えないまま深いため息をはくが、嬉しそうに目を輝かせるさよを拒絶も出来なかった


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