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真の歴史へ・その三

一方横島達が帰った後のオカルトGメンでは、美智恵が呆然とした様子で考え込んでいた


(いったい何がどうなってるの?)

ハメられたのは気付いた美智恵だが、何故メドーサが大人しく横島達と行動しているのか理解出来ない

メドーサと小竜姫の因縁は簡単なモノではないし、未来の情報でもメドーサが小竜姫と和解するなど有り得ないと言い切れる


(まさかアシュタロスと手を組んだ?)

小竜姫とメドーサが手を組むなら、横島がアシュタロスと手を組む方が可能性として高いとすら美智恵は思ってしまう

ルシオラが間に入って未来の情報があれば、アシュタロスと手を組む事の方が実現可能なのだ


「私は一番大切な事を知らない」

ぽつりとつぶやいた美智恵は、改めて横島達が過去に来た意味を考えていた

アシュタロスと手を組むのは飛躍しすぎだと思うが、それを考えてしまうほどにメドーサの事は予想外である

アシュタロスを倒す事が目的ならば、メドーサを取り込む必要は無い


この辺りの違いは、基本的な考え方の違いが大きく影響していた

横島の場合は神魔妖区別無く考えるが、美智恵はやはり人間である

人間にとって害にしかならないメドーサと、わざわざ和解させようなどとは考えもしない

まして何度も殺し合った魔族と和解しようなどとは、まともな神経では考えられないのだ


「彼らは何故過去に来たの?」

一番根本的な事がわからない美智恵の思考は、ますます迷走を続けていく

自分一人しか信じる事が出来ずに全てを一人でやって来た美智恵と、裏切られる事を覚悟で相手を信じてしまう横島では考え方のベクトルがまるで違っていた

ある意味美智恵と正反対の、横島の考えを予想する事は簡単では無いようだ


(メドーサが生きてるなんて知れたら、全てが終わってしまう)

何もわからない中でメドーサへの対応に悩む美智恵

しかし何もわからないがゆえに、具体的な行動に移る事が出来ない

文珠や神族の協力無しにメドーサを退治するのは簡単では無いのだ

無論正式な手続きさえ取れれば可能性はあるのだが、すでに退治した事になってるメドーサを相手に正式な手続きを踏む事は不可能である


加えて小竜姫が何を考えてメドーサを生かしてるのかがわからない以上、美智恵といえども軽はずみな行動は出来なかった


(まさか小竜姫様やバックにいる神界がメドーサを信じる訳は無いし……)

甘さの残る横島ならともかく、小竜姫や神界が本気でメドーサを信じるては美智恵には思えない

今回のメドーサの件の裏で小竜姫や神界が何かを狙っているとしたら、下手な行動をしてそれを邪魔するのだけは避けねばならないのだ


(当面は監視を増やすしかないわね)

結局美智恵は、小竜姫や神界がメドーサを生かした裏を探るしか方法が無かった

実際は横島の個人的な想いによる行動なのだが、何も知らない美智恵は有りもしない裏を探っていく事になる

全てはタマモの罠だとは気付かぬままに……


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