麻帆良祭

「お疲れさま~」

「おう、気をつけて帰れよ」

二日目の営業も無事終わり2-Aの少女達が帰るのを見送った横島は、数名の主要メンバーと売上げを計算したり明日以降の仕入れの打ち合わせをしていた

どれも人気メニューであり売上げはいいのだが、やはり売れ行きに差はあるし明日以降の天気や気温によっても売れ行きは変わってくる

短期間の臨時営業とはいえ、仕入れには当然気を使っていた


「やっぱ持ち帰り出来る軽食が人気だな~」

「纏めて買っていく人も多いのよね。 みんなまだ準備に忙しいし中華まん五十個とか頼まれた時は焦ったわ」

二日営業した結果売り上げ数が多いのは、やはり軽食関係だった

中等部や高等部の生徒も結構来ており、中にはクラス分を纏め買いしていく人も居たらしい

接客対応した明日菜は始め冗談かと思って笑ってしまったらしいが、本当に中華まん五十個にフライドポテト五十個を買って行ったようだ


「リクエストって訳しゃないんだけど、肉がないって何人かに言われたわ。 最近のファーストフードはフライドチキンとか多いからそれのイメージだと思うけど……」

軽食続きで意見を述べる明日菜は客の要望として純粋な肉を求めてると感じたらしい

正直作る方はよく分からないので、ただ客の意見で多かったことを言っただけなのだが


「肉か~ 肉まんとか中華まんに入ってるからいいかと思ったんだがな」

「肉は軽食の定番ですからね」

集まったメンバーで意見を出し合い明日以降の方針を決めるのだが、肉が欲しいとの意見は改善が必要だった

横島は肉まんで十分かと考えてたらしいが、一般的には肉そのものがないと違和感があるらしい


「肉の軽食か~ 何がいい?」

みんなの意見を聞きつつ肉料理を考える横島だったが、やはり大量に作れるから揚げかフライドチキンがいいと決まる

どうせならば他店にはない物がいいの意見もあったが、明日突然大量に作れる物は限られていた


「から揚げにするか。 料理の方にも応用出来るしな」

結局から揚げかフライドチキンかで意見が纏まらなかったが、料理の応用性から横島がから揚げを選ぶ

正直フライドチキンは食事には向かないが、から揚げならちょっとしたアレンジで定食にも出来る

どうせなら応用出来る方がいいからとから揚げを選んだらしい

その後も細かな改良点などを話し合い明日の発注を決めて、この日は解散することになる


「そう言えば内装の小物どうするんですか?」

話し合いも終わり帰ろうとした頃、夕映は終わってない内装をどうするのか横島に尋ねていた

どうやら横島が一人でやる気なのか気になるらしい


「小物は本番用にするしかないだろうな。 それに立体映像の評判がいいから、最悪無くても困るもんじゃないしさ」

当初の予定ではいろんな小道具を作って飾る予定だったのだが、いざ開店してみると立体映像が目立つため正直あまり必要ない物になっている

現状でもメニューや情報板が目立っており、立体映像と組み合わせると物足りなさなどないのだ

無論あっても邪魔になる物でもないし作りたい気持ちはあるが、2-Aのみんなは営業に関する仕事や部活やサークルの準備で忙しい

横島としてもここは無理をせずに時間があれば作る程度でいいと考えているらしい



14/95ページ
スキ