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麻帆良祭への道・2

この日の作業は昨夜の横島達の頑張りもあって比較的スムーズに進み始める

しかし麻帆良祭まであと六日となったことからクラブや部活動の方の準備も忙しくなっており、2-Aの少女達の集まりは必ずしも良くはなかった

加えて調理の練習や手順の確認なども続けており、どうしても内装やインテリアの準備にかける人員は減っている

まあそんな環境だが流石に2-Aの少女達もそろそろ急がないと間に合わないと焦りは感じてるようで、みんな前日までとは違ったやる気を見せていた

そして横島はこの日も朝の営業を終えてから来ていたが、手伝いや指導やらでいつもに増して忙しく走り回っていくことになる



そんな賑やかな作業が続き午前11時半を過ぎた頃、身近な場所で一つの事件が起きていた

雪広グループのパビリオンで本日のイベントとして開催されるはずだったマグロの解体ショーの為に呼ばれていた人が、麻帆良に来る途中で事故に巻き込まれ軽傷を負ってしまい来れなくなったらしい

マグロの解体は普通の料理人では不可能であり、急遽出来る人を探して走り回っていたのだ


「まだかな?」

「いいんちょにバレたら怒られそうね」

その頃、例によって横島と明日菜は抜け出してマグロの無料試食の列に並んでいる

明日菜はちょっと嫌がったのだが、横島がみんなが休憩してる時に連れ出していたのだ


「流石にマグロの解体なんて経験がないネ。 一応手順は知ってるけど、自信がないヨ」

一方仮設店舗の方には雪広グループの担当者が、超にマグロの解体が出来ないか尋ねに来ていた

超包子のオーナーであり料理人でもある超鈴音なら出来るかもしれないと、藁にもすがる思いらしい


「築地から呼んだ方が早いのではないですか?」

「そちらも当たってるのですが、何分突然ですので……」

血相を変えた雪広グループの関係者に仮設店舗に居た者達が集まって来て心配するが、なかなか見つからないらしい

本来は11時半から解体する予定な為にもう時間が過ぎているのだ


「そういえば横島さんが居ませんね……」

超と同時に横島にもマグロの解体が出来ないか尋ねたいあやかだったが、いつの間にか姿が見えないことで不思議そうに辺りを見渡すが当然居るはずがない


「横島さんなら多分並んでると思います。 マグロがタダで食べれるからと昨日楽しみにしてましたから」

みんなが横島を探そうとする時、夕映は少し言いにくそうに横島の居場所を告げる

実は昨日無料の肉を一緒に食べた時に、横島が今日のマグロも食べたいと言っていたのを聞いていたらしい


「そういえば結構人が居ませんね」

夕映の話にあやかはクラスメートの人数を数えるが、先程の休憩から姿が見えない者が何人かいる

半ば確信を持ってあやか達が外に出てマグロの列を見ると、横島や明日菜のみならず鳴滝姉妹と楓やまき絵達運動部四人組などがちゃっかり並んでいるではないか


「ようやく真面目に作業を始めたと思ったら……」

ただでさえ準備が間に合わないのに休憩を理由にサボる横島達に、あやかは疲れたようにため息をついてしまう



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