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真の歴史へ・その二

「結果的に言おう。 原始風水盤の最終候補地は、香港とイスタンブールだ。 これは地理的要因や、周辺の神魔の勢力などを考慮した結果だと思われる」

ワルキューレはモニターのデータを説明しながら語ってゆく

原始風水盤との相性はやはり香港が一番であり、次の候補地がイスタンブールのようだ

これは周辺の人界駐留の神魔や、人間のGSの状況なども考慮されたようである


「実行部隊はメドーサおよび、正体が未確認な魔族が一人。 そして情報にあった黒岩、他に人間が二人」

続いて話された実行部隊の情報に、聞いている横島達は驚きを隠せない

メドーサや魔族や黒岩はともかく、また知らない人間が加わる可能性は低いと見ていたのだ


「まさか… 黒岩の他にも人間が居るとは」

「その人間達ですが、正体を含め身元はわかりませんでした。 一人は白人で、一人は黒人です。 ヒャクメさんにも協力を仰いで、神界と魔界に登録されてる危険人物は調べたのですが…、身元はわかりませんでした」

驚く横島に、ジークは済まなそうに報告した

情報に関してはジークとヒャクメはプロだが、あくまでも神魔界での話である

人間に関して神魔界は、特に危険視してる者以外は皆無と言ってよかった

基本的に人間を舐めて見下している証である


「仕方ないでしょうね… 神魔界は人間に関してデータはありませんので… それにもう一人の魔族も気になりますね」

前回この事件を調べた小竜姫は、予想以上の敵の戦力に深く考え込む


「奴らの行動から見て、首謀者はメドーサだろう。 断言は出来んがもう一人の魔族はメドーサよりは弱いと思う」

あくまでも、個人的意見としてワルキューレは語っていた

中々力を隠した者の実力を計るのは難しいのだ


「問題はその人間よね… 本当にタダの人間なのか、それとも黒岩のように何か隠し玉があるのか」

ぽつりとつぶやくタマモ

メドーサの性格上、使えない人間を使う可能性は低いと思っていた

最低でも勘九朗クラスの可能性が高いのではと予想する


「それとこれは関係あるかわかりませんが…、奴らのうち一人の黒人は妖怪の不法売買にも関与してる可能性があります」

ジークが正体不明の人間の周囲を調べたところ、偶然発見したのが妖怪の不法売買の組織との繋がりである

それほど深い繋がりでは無い為に、深く調べなかったが明かにその組織に接触してる形跡はあった


「うーん、ジークさんはその妖怪の不法売買の組織を調べてくれないかしら? 少し気になるのよね… どのみち知ったからには放置も出来ないし…」

かなり難しい表情をして話したのはルシオラである

この話はさすがにルシオラも予想して無かったのだ


「では私は引き続きメドーサを監視する」

「人間の正体は私が探すのねー」

結果的にワルキューレは引き続きメドーサ達の監視と情報収集に当たり、人間の正体はヒャクメが引き継ぐことになった


原始風水盤の完成まで後わずか…

横島達の表情にも緊張感が漂っていた
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