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真の歴史へ・その二

「正直、最近まで軍にいた私には信じられない思いもあります」

なんと言っていいかわからないジークとワルキューレ

未来では共に戦った仲間と知るが、今の自分達が仲間な訳では無い

それにあまりに格の違う神なだけに、恐れや戸惑いが隠せないのだ


「早いうちに顔を合わせることは必要じゃろ? いざとなれば、共に戦うかもしれんのじゃからの」

真面目な表情でタバコを吸いはじめる老師の言葉に、横島達まで緊張感が走る

それは現状の神魔界も、決して楽観出来なる状況で無いことを物語っていた


「神界のお土産あげるから、みんなリラックスするのねー」

ジークやワルキューレの戸惑いが見えるのだろう、微妙な空気を和ませたのはヒャクメである

彼女はニコニコと神界のお菓子をみんなに配りだす


「あっ! お茶も必要ね…」

ヒャクメの意図を瞬時に悟ったタマモは、合わせるようにお茶を入れにいく

5分ほどで戻って来たタマモがお茶を配り、ルシオラの研究室で和む一同

部屋のインテリアが魔族独特な部屋なため、非常にシュールな光景である


一方横島達はヒャクメの行動に感心していた

『ヒャクメの奴、上手いこと場を和ませたな~』

『元々こう言う場を和ませたり、間を取り持つのは得意ですからね』

横島の念話に同じく感心したように答える小竜姫

人の心が見えるヒャクメは、性格的にも監視や調査よりはこう言った仲裁などが向いてるようだ


「しかし、これだけの力のある神魔が人界に集まってお茶を飲むとはな… つくづく常識の通じんな横島は」

少し呆れたような視線を横島に向けるワルキューレの言葉に、思わず一同が笑ってしまう


「フフフ… 横島を常識で判断すれば痛い目を見るわよ。 非常識にかけては右に出る者は居ないもの」

笑いながらも自信を持って言い切るルシオラに誰もが頷く


「今日は俺何もしてないんだが…」

ただ一人横島本人は、褒められてるのかけなされてるのかわからずに、困ったようにつぶやく


「ワシも横島だけは今だにわからんからの~ じゃが、時代を変える者は大概は非常識に見えるもんじゃよ」

困った横島と、それを見て楽しそうなワルキューレやジークに老師も笑みを浮かべていた
 
 
「ちょうど、全員集まってるし原始風水盤の作戦会議に入りましょうか」

老師とワルキューレ達が互いに慣れて来た頃、ルシオラは本題に入った


「うむ、では報告しよう」

ワルキューレが立ち上がると、ジークはルシオラに調べて来たデータを渡し

ルシオラはメインモニターにワルキューレ達が調べて来たデータを表示する


「結論から言うと、アシュタロス一派が原始風水盤を計画してるのは確かだ。 奴らは我々より先に世界各地を調査して候補地を探した形跡がある」

ワルキューレの説明に合わせるようにモニターには数は少ないが、魔族が暗躍をしていた証拠が映し出されていく

中には原因不明の殺人事件や魔族と取引した人の情報もあり、ワルキューレの言葉を裏付ける証拠となっている

その細かな調査には、横島達だけでなく老師も感心していた
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