幻の初恋

おキヌが料理をしている間

横島はソファーに座って待っていた


チビ小竜姫は相変わらず横島にしがみついて離れない


「あんたって子供や物の怪には好かれるのね~」

そんな横島とチビ小竜姫を見て、呆れたように美神は話した


「なんででしょうね…」

横島は離れないチビ小竜姫を撫でながら不思議そうに話した


「まあ、あんたは精神年齢が子供だからね」

美神は苦笑いして話した



そうしているうちに、おキヌがご飯を持ってきた


「さあ、出来ましたよ。 たくさん食べて下さいね」


おキヌが優しく言うとチビ小竜姫は静かに頷いた


どうやらおキヌはあんまり怖くないらしい……


チビ小竜姫は横島の膝の上に座って動かない

「小竜姫ちゃん、ご飯食べるなら降りて座らないと…」

横島が優しく話すが…


チビ小竜姫は首を横にイヤイヤと振った

「俺の膝の上で食べるのか?」

横島が困ったように聞くと頷いた

「わかったよ… じゃあゆっくり食べなよ」


横島は少し困ったが笑顔で言うと嬉しそうに笑った


「いただきます…」

チビ小竜姫は礼儀正しく言うとご飯を食べ始めた


「美味しい?」

おキヌが聞くとチビ小竜姫は嬉しそうに頷いた


「良かった… でも横島さんから離れませんね~」


まるで子供にご飯をあげてるような、横島とチビ小竜姫に、おキヌは微笑みながら話した


心の中では…

(お母さんは私かしら……)


と考えて、顔を赤くしていた


いきなり顔を赤くしたおキヌに、横島とチビ小竜姫は不思議そうな顔になったが…

チビ小竜姫は気にしないでご飯を食べていた…


しばらくするとチビ小竜姫は綺麗にご飯を食べ終えた

「ごちそうさまでちた…」

チビ小竜姫はおキヌに笑顔で話した


「今お茶持ってきますね~」

おキヌは茶碗を片付けてお茶を入れてきた


「お腹いっぱいになったか?」

横島は膝の上で大人しいチビ小竜姫に聞いた


「うん、おいちかった」

チビ小竜姫の笑顔に横島は笑顔で答えた

「じゃあ、帰るか… おキヌちゃんありがとうね」
横島はおキヌにお礼を言った

「いえ、いいですけど、今晩どうするんです?」

おキヌはチビ小竜姫を見て聞いた

「俺の部屋に泊めるよ。 妙神山に明日朝から行かなきゃならないからな」

横島は少し考えて話した

「そうですか…」

おキヌはチビ小竜姫が少しうらやましそうだ

「ほら、小竜姫ちゃん。 美神さんとおキヌちゃんにサヨナラを言おうね」

横島は抱きかかえているチビ小竜姫に言った


「おせわになりまちた。 ありがとうございます」

チビ小竜姫は礼儀正しく言った

「はい、またね」

おキヌは笑顔で答えた

美神は泣かれたのを根に持ってるのか反応がない


「よく言えたな~ 偉いぞ」

横島はチビ小竜姫の頭を撫でて誉めた

「えへへ… うん」

チビ小竜姫は誉められて嬉しそうだった……


それから横島はチビ小竜姫を連れてアパートに帰った

部屋はお世辞にも綺麗と言えない為、横島はゴミなどをまとめて手早く片付けた

それから横島は、チビ小竜姫が寝るまでテレビを見せていた

よほど珍しいのか、驚いてテレビを見ていた

「ハコのなかに人がいゆよ?」

チビ小竜姫は横島の服を引っ張って騒いでいた

「神界にはテレビはないのか?」

横島は苦笑いして相手をしていた


そして、その日の夜は二人布団を並べて寝ようとしていた


「じゃあ、おやすみ」

横島はチビ小竜姫を布団に寝かせて、自分も布団に戻ろうとした

「だめ… いっしょにねるの…」

チビ小竜姫は寂しそうに横島を見つめてお願いした

「う゛… わ…わかったよ 一緒に寝たげるよ」

横島はチビ小竜姫のお願いに弱かった


知らない場所で寂しいのだろいと考えて、

横島は一緒に寝てあげた
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