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真の歴史へ・その二

横島達がそんな話をしている頃、鬼道は冥子を見下すように見ている


「ね~ やめましょうよ~ 式神はビー玉やメンコじゃないのよ~」

オドオド怯えながらも冥子は、こんな果たし合いをする意味を見いだせずにいた


「君の話はきいとるよ。 すごい式神を12匹も持ってはるんやろ? 欲しいんや、そいつが」

鬼道はすでに勝ちを確信したような笑みを浮かべて式神を影から出す


「我が家に代々伝わる式神の夜叉丸や。 おまえはどないや? 夜叉丸。 兄弟がほしゅうないか?」

一見鬼道は夜叉丸に話しかけてるようにはみえるが、夜叉丸の意見を聞こうはしていない

そのまま夜叉丸を操って冥子に先制攻撃をしかけていく


「きゃ…」

突然の夜叉丸の攻撃に反応出来ない冥子

しかし冥子の影からアンチラが自分から飛び出して、冥子を守るべく夜叉丸に攻撃を加える


「アンチラ!?」

冥子が驚く中、アンチラと夜叉丸は睨み合う


「やる気らしいね。 はじめよか、夜叉丸」

挑発が成功した鬼道は暗い笑みを浮かべて冥子を攻撃しようとする


「やめましょうよ~ 横島くん~ みんなを止めてよ~」

冥菜や鬼道親子など、みんなが戦わせようとするのを、冥子は泣きそうになりながら止めようとしていた


「いや、気持ちはよくわかるが… 俺が鬼道を倒しても意味無いし」

冥子の気持ちは横島にはよくわかっていたが、さすがにこの場を止めるのは不可能である

冥子は怖いのも嫌だし、式神が戦ったり傷ついたりするのも嫌なのだ


そう…

冥子の性格はまるっきり戦闘に向かないのである

そもそも霊能力や戦いの才能があるからといって、みんな戦いや除霊が好きな訳は無いのだから…


横島はそんな冥子を見て、昔の自分と少し似ている気がした


横島が少し考えてる間にも、鬼道は夜叉丸を使ってアンチラにダメージを与え、冥子が影に戻す瞬間アンチラを奪ってしまう


「力を失って影の中に戻る瞬間、式神使いは他人の式神を奪うことができるんや!」


奪われたアンチラは夜叉丸とに取り込まれ、夜叉丸の剣となってしまった


「アンチラ!! アンチラ~」

アンチラを奪われた冥子は悲しみと寂しさで泣いてしまう


「真面目に戦わないからです~! 次は取り返すのよ~!!」

冥菜は怒りの表情で叱りつけるが、冥子はショックで聞いてない


「ふえ… ひどいわーッ!!」

悲しみと怒りで暴走気味な冥子の影からビガラとマコラとハイラが現れるが、一瞬で鬼道に奪われてしまう


「複数の式神を同時に使うとると霊波にスキが多なるからね、一度にたくさん使うのは逆効果やど。 お得意の暴走もボクには通用せえへん」

冷たい笑みを浮かべて冥子に言い放つ鬼道の横では、夜叉丸が奪った式神の力を取り込んで変化をしていた



「ダメだなありゃあ…」

そんな鬼道と冥子の姿に、冥子は勝つのが不可能だと雪之丞は判断する


「あの親子も雪之丞と同じように思ってるでしょうね…」

意味ありげな笑みを浮かべているのはタマモである


「どういう意味だ?」

その笑みの意味を理解出来ない雪之丞やおキヌ達は、不思議そうにタマモを見た


「今にわかるわよ。 あの様子なら冥子さんの勝ちね。 勝負の分かれ目は鬼道って人が自分の実力を的確に把握しているかってことかしら…?」

未来の様子を知らないタマモだが、すでにこの試合のからくりに気が付いているようだ


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