真の歴史へ・その二

横島とルシオラが屋敷内に悪霊を呼ぶ原因を突き止めたのは、その後すぐであった


それは屋敷内に飾ってあった一つの掛け軸である

「この掛け軸が原因だな。 悪霊を呼び持ち主を不幸にする呪いがかかってやがる」

「かなり古い代物ね。 この呪いのせいで持ち主が代々変わったのね」

「骨董品には危ない物多いからな~ とりあえずこの呪いを無効にして除霊すれば終わりだな」

掛け軸を霊視しながら会話する横島とルシオラ

横島は神眼で霊視して、ルシオラはバイザーを装着して呪いを分析していた

掛け軸の呪いは横島の文珠の【解】と【浄】の二文字であっさりと消し去ってしまう


その後、屋敷内外の悪霊を霊子銃で除霊して終了となる



除霊を終えた横島達が事務所に戻ると、ジークが待っていた


「横島さん、マズいことになりました。 姉上の事なんですが…」

申し訳なさそうに謝るジーク


その後ろでは小竜姫とタマモが苦笑いしている

どうやらジークは、ワルキューレが納得しなかったことを伝えに来たようだ

前々からワルキューレを納得させる場合は一度戦うのも仕方ないと思っていた小竜姫とタマモは、話を聞いて苦笑いを浮かべているらしい


「らしいな。 さっそく現れたよ」

ジークの言葉を遮って、少し苦笑いを浮かべた横島が先ほどワルキューレが現れたことを告げる


「すいません。 全て説明はしたのですが、納得が出来ないようで…」

ジークは困り顔でどうするべきか悩んでいた


「気にするなって、ワルキューレは生粋の軍人だからな。 その判断は正しい。 未来がどうとか、時間移動がどうとかを言葉で信じる方が危険だよ」

横島はジークを励ますように笑って言葉をかける


「しかし、姉上をどうやって説得したらいいものか」

ワルキューレと横島達の敵対を避けようとジークは必死に考えているが…


「その事は任せてくれ。 今夜ワルキューレが戦いに来る。 俺の力を見ないと信じれないそうだ。 後は俺がなんとかする」

横島は真剣な表情になりジークに今夜の決闘を告げる


「しかし…」

困惑の表情を隠せないジーク

ワルキューレの性格を考えると手加減などしないだろう

横島とワルキューレの対決はあまりに危険だと思った


「ヨコシマを信じるなら任せて頂戴。 悪いようにはしないわ。 ワルキューレさんも彼女なりに悩んでるのよ。 心の底では私達を信じたいから、わざわざ正面から戦いを挑んで来たのよ」

ルシオラはあの時のワルキューレの複雑な表情を見て感じていた

あれは疑って来たのではなく、横島がジークの話した通りの人物か確かめに来たのだと…

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