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二年目の春・4

「~♪~♪~~♪~~」

超と高畑の対峙が終わりを迎えようとしている頃、超が一番恐れる麻帆良が誇る天災級最終兵器エヴァンジェリンは超のことなど毛筋ほども気にもしてなくタマモとチャチャゼロと二体のハニワ兵とお風呂に入っていた。

タマモは何故かお風呂に相応しくないような少し古い流行歌を歌っていたが、まあそれはいつものことでありここ数日は横島が忙しいのでタマモのお風呂はエヴァが入れている。


「ほら頭を洗うから来い。」

「うん!」

プカプカと湯船に浮かぶチャチャゼロと二体のハニワ兵は揃って頭にタオルを乗せており一見すると奇妙な光景にも見えるが、タマモにとっては普通でありエヴァも人形使い故にか特に気にする様子はない。

未だに一人で頭を洗えぬというか洗ったことがないタマモは、シャンプーハットを装着してエヴァに洗って貰っていた。



「茶々丸ちゃん調子はどうだ?」

「良好です。 新型ボディ及び新型AI共に正常に作動してます。」

そして横島だが二階のリビングで超鈴音製の茶々丸用新型ボディの稼動テストを行っている。

捕獲したアンドロイドは茶々丸の妹にする予定だがその前に稼動テストくらいは必要でありそれを茶々丸で行いつつ、AIに関しては茶々丸の魂の成長に合わせて調整をしていた。

まあどちらかといえばAIを簡素化効率化した形になっていて、製作者の超鈴音や葉加瀬に逆らわないと言ったロボット三原則のようなプログラムは消去している。

なお新型ボディはまだ稼動テストも満足にしてなかったようで戦闘プログラムは未完成な為、横島が元の世界の人造人間マリアや茶々丸の戦闘プログラムを元に暫定的に組んだプログラムを一応搭載した。


「やっぱ動力部は改良が必要か? なんだよこのゼンマイ式って。 完全な自給型も作れるだろうに。 それと武装もなぁ。」

「ゼンマイ式はダメなのでしょうか?」

ただ横島は茶々丸シリーズに共通した動力供給方式であるゼンマイ式魔力供給型があまりいいとは思えないらしく、やはり動力から改良する必要があるかと頭を悩ませる。

武装に関しても茶々丸本人ならば搭載してもいいが茶々丸以外は武装を取り除くようにと近右衛門から言われていた。

茶々丸はエヴァの従者であり魂も持つので別格だが、少なくとも麻帆良で使う分には過剰な武装は不要だし近右衛門は世の中への影響を考慮してアンドロイドを戦いの主力にする気はないらしい。

なお量産型とも言える田中さんは一部の実験機は電力型であるが他は大気中の魔力吸収型であり、こちらは本来の計画より一年も早く量産しなくてはならない影響からか簡易量産型になるので、世界樹の魔力放出並みの高濃度の魔力が無ければ動けぬ使用であり動力部の改良は必要不可欠である。

魔力吸収型にしろ電力型にしろ完全な自給型の動力部も超鈴音には作れる理論と技術はあったが、それを製造し量産する設備がこの時代にはなく本気で未来技術を量産するには周辺設備の底上げから必要で流石の超鈴音もそこまでは手が回らなかったらしい。


「いや、ダメな訳じゃないが不便だろ? まあ茶々丸ちゃんの新型ボディは俺も考えてるからそっちはちゃんとするつもりだけどさ。」

「はあ……。」

ちなみに肝心の茶々丸は別にゼンマイ式でもいいのではと思っていて、その訳が魔力を供給される感覚が気持ちいいからとは横島には言えなかった。

流石に恥ずかしさから今まで魔力供給はエヴァに頼っていたので横島はその辺を知らないようである。

結局横島もまた超鈴音のことはほとんど気にしてなく、茶々丸シリーズと田中さんシリーズの改良をする為に頭を悩ませていく。


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