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真の歴史へ・その二

「眠いわね…」

タマモは少しあくびをしながら、画面を見る


「まあ、奇襲と暗殺をするのは夜だよな~ Gメンも人が少ないし…」

横島は眠気覚ましのコーヒーを口に運びため息をつく


「ヒャクメ、周囲に他の敵はいませんか?」

小竜姫は一番真剣に見ているようだ


「うーん…、居ないのねー」

ヒャクメはキョロキョロと辺りを遠視してから答えた


「西条さんはどんな作戦をたてたのかしらね」

ルシオラは横島に寄りかかるように座り画面を見る


横島達は完全に助ける気は無いようだ



そしてGメンでは…


ソファーに座り静かに目を閉じていた西条が、突然目を開く

左手に霊剣ジャスティスを握り、そのまま止まる


(来たか…)

西条は心を静め相手が現れるのを待つようだ


「すいません…」

そんな時、Gメンのオフィスに女性が入ってくる


「こちらはICPO超常犯罪課日本支部です。 どうされました?」

西条は霊剣ジャスティスを持ったまま女性に対応する


「こちらでご依頼のベビーシッターに来たのですが…、人員不足で今夜は無理でしたが、急にキャンセルが出ましたのでこちらに参りました」

女性は笑顔で西条に説明をして、西条も笑顔を見せて女性を中に入れる

「それは助かります。 こちらでは手に負えなくて…」


西条はそのまま、女性を別室に案内するが、女性に背中は見せない

何故か女性の隣から前に出ないでに案内する


「この部屋の中にいます。 先ほど寝たばかりなので、しばらく休憩してて下さい」

西条は笑顔で仮眠室に女性を入れる


「はい、ありがとうございます。 後はおまかせ下さい」

女性は西条に微笑み室内に入る


「フッ! 人間はバカじゃん…」

女性は先ほどとは全く違う、悪い笑みを浮かべている

そしてベッドの中の一つに、子供が寝ているような小さな膨らみを見つけると、その姿が変化する!

腕にはたくさんの羽が現れ、体も毛で覆われている

彼女がハーピーであった


「さて、まずはガキから殺すじゃん!」

ハーピーはゆっくりベッドに近寄る


「時間移動能力を母親に持った不運を呪うがいいじゃん!」

ハーピーは羽を一枚手に持つ

「フェザー・ブレット!!」

ハーピーはベッドの膨らみ目掛けて、羽を投げた!


ズドォーン!!

ハーピーの羽を使ったその攻撃は強力であった

ベッドにある膨らみどころか、ベッド自体を破壊して大きな穴を開けている


「ほーっほほほほっ!! これで母親とこの時代のガキを殺せば終わりじゃん!」

ハーピーはベッドの中の小さな令子を確認もしないで、馬鹿笑いをしている

普通に考えたら、生きてるはずは無いのだが…



そして、ハーピーを仮眠室に案内した西条は…

静かに懐から銃を取り出し、ドアの前で中の様子を探る

(やはり魔族だな… 反撃される前に仕留めなければ…)


西条はハーピーに気付かれないように、携帯で令子に連絡する

「令子ちゃん、予定通りだ。 敵が油断した隙に一気に決めるぞ!」

「わかったわ」

西条の電話を令子はビルの外で受けていた

それは、ハーピーが居る階の一つ上の階の窓の外

令子は屋上からロープで降りて来て、ハーピーを攻撃するタイミングを待っている
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