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二年目の春・3

「ぽー!」

「ぽぽー!!」

綺麗な芝生が生い茂り木々が木陰を作る自然公園は運動するハニワ兵達で結構賑やかだった。

太極拳をするハニワ兵も居ればサッカーやバドミントンをするハニワ兵にジョギングをするハニワ兵と、見た目がハニワ兵であることを除けば人間と変わらぬ様子である。


「ほう、アイスか。 二つ貰おう。」

「ぽー。」

散歩に出たエヴァ達はそんなハニワ兵達を見ながら広い公園を歩いていたが、珍しい屋台のアイス屋を見つけてチャチャゼロと二人アイスを食べることにする。

まだ春とはいえハワイ諸島にあるこの公園は結構暑く近くのベンチに座り食べるが、シャーベットに近いアイスクリーンというお祭りなどで見かけるアイスだった。

シャリシャリとした舌触りとあっさり気味の味は懐かしさを感じる人も多いかもしれない。

エヴァはチャチャゼロと茶々丸と並んでベンチに座りゆっくりとそんなアイスを味わい、公園のハニワ兵達や遠くに見える海を眺めていた。


「いずれここに移住してもいいかもしれんな。」

よくよく見るとハニワ兵達はそれぞれに個性があり動きなんかも違うし、要領がいいハニワ兵も居れば悪いハニワ兵もいる。

だが誰一人仲間外れにしたりする者はなくみんなイキイキしていた。

そんなハニワ兵達を見ていたエヴァは、ふと以前から少し考えていたこの世界に住むのもいいかもしれないという考えを口にする。

正直なところエヴァは血で血を洗うような世界が好きな訳でもなければバトルジャンキーでもない。

いつの日か麻帆良を離れねばならぬ時が来たら、いっそのことここに移住してしまえば二度と戦いと闇の世界に戻らなくていいとか思っていた。


「あっ! エヴァちゃん発見!」

「アイス美味しそう。」

「ジャーン! エヴァちゃんには大人用の超セクシーな水着貰って来たよ。 お昼食べたらみんなでまた海行こ!」

そのままのんびりとした時間を過ごすエヴァ達であるが、洋服作りのハニワ兵の家に遊びに行っていた美砂達がやって来ると一気に賑やかになる。

彼女達はエヴァと同じアイスを食べながらいろいろおしゃべりを始めるがどうもハニワ兵の新作水着を貰って来たらしく、午後はみんなで海に行きたいらしい。


「マスターさ、最近魔法協会の女にちょっかい出されそうだから、私達のこと改めて思い知らせないと!」

「あの、私はガイノイドなので水着は似合わないと思いますが。」

美砂達はエヴァばかりか茶々丸やチャチャゼロに木乃香達の分の新作水着まで貰って来ていて、どうやら自分達が女だと改めてアピールするつもりのようである。

茶々丸はまさか自分にまで水着を貰ってくるとは思わずオロオロしてしまうが、エヴァはそんな少女達と茶々丸のやり取りを見て少し呆れたような表情をしながらもどこか笑っていた。


「いいだろう。 貴様らに小娘に本物の大人の女の色気を見せてやろう!」

しかもかなり過激な水着を貰って来た美砂達にエヴァは何故か自信ありげな笑みを浮かべると、大人の女の色気をみせてやろうと言い切りまたもやタマモと並んで高笑いをする。

どうもエヴァは美砂達が大人の女として扱ったことに気をよくしたらしい。

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