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二年目の春・3

「ハァハァハァ……。 まさかこの短時間で技を自分のモノにしていくなんて、これも実力の差なのかしら?」

そのまま横島は神鳴流の技を交えつつ手合わせを続けるが、横島が知る神鳴流の技は前回霊動シミュレーターで見た雷鳴剣と斬岩剣のみなので基本的な動きや太刀筋は神鳴流ではない。

だが横島の怖いところは二度三度と神鳴流の技を使うとほとんど自分の技として、具体的には小竜姫の剣の一部にしてしまったのだからそれを見ている刀子としては信じられないようである。

しかも刀子は全力で飛ばしてるため戦えば戦うほどスタミナが減るが、横島の消耗は刀子の半分どころか十分の一にも満たない。

基本的な力の使い方の差が剣の腕以上に明らかになっていた。


「基本的な剣と力や術の使い方は同じですし応用するくらいは可能っすね。 正直俺の剣の元の人はあんまり応用とか使わない人でしたけど。 俺は応用とかの方が得意なんで。」

よく技は盗めなどと聞くが目の前であっさりと盗まれると盗まれる側も考えさせられるモノがあるらしい。

ただそもそも神鳴流は対妖魔に特化した素晴らしい剣ではあるが、竜神小竜姫の数百年の積み重ねた剣の技術で使えないものではなかった。

まして横島は昔から器用で応用や流用は何かと得意であるという横島本来の性質もあるので、ちょっとした誤差を修正するのに時間はあまり必要ないようである。

ちなみに戦えば戦うほど横島は刀子の神鳴流を覚えていくので、技を覚えられるは癖やタイミングまで覚えられるはで刀子は本当にやりにくかった。

一応戦い方は正統派の剣だが元の小竜姫の性質からか刀子の癖や隙を教えるように戦うので、最早手合わせというよりは完全な修行になっていたが。



「おつかれー。 刀子さんは?」

「ああ、汗を流して来るってさ。 俺もお供しようとしたけど断られた。」

結局横島と刀子の手合わせは刀子が限界になり終了していたが、横島は軽い運動程度の様子なのに対して刀子は汗だくだったので即霊動シミュレーター内にあるお風呂に直行したらしい。

手合わせが終わるといつもの調子に戻った横島は背中を流しましょうかと声をかけるも、当然のように断られている。


「ねえねえ、聞いて聞いて。 白ハニ君物を冷やす能力があるみたい。 温くなったジュースが一瞬で冷たくなったんだよ。」

「ぽー!」

さて横島と高畑や刀子の手合わせを見物していた少女達だが、先程誕生した白いハニワ兵の能力を発見というか見たらしく魔法みたいだと騒いでいた。

ただ通常のハニワ兵の基本能力には念動力のような超能力的な能力はあるが魔法的な能力はなく、白いハニワ兵も魔法というよりは発火能力ならぬ冷化能力のような特性があるだけらしい。

元々ハニワ兵は汎用性を重視したことからあまり際立った能力は与えられてなく、戦闘用ハニワ兵なんかが霊波砲や霊波刀のような能力を後からオプションとして与えられた以外は目立った能力はない。

技術に関してはプログラムのように簡単に覚えれるのだが、能力となると正直あまり必要性もなく今まで手が付けられてなかった面だった。


「そいつは面白いな。 属性ハニワ兵を少し研究してみるか?」

「これからの季節ならやっぱり白ハニ君の仲間が一番だよ!」

その後横島は刀子が戻ってくるまでハニワ兵の属性化について雑談しつつ、戻って来た刀子と共にみんなでホテルに帰りこの日は終わることになる。



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