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麻帆良祭への道

そのまま雑談をしながら食材やメニューに関して意見を出し合うが、肝心の店の方針が決まらぬ以上はたいしたことを決められないのは確かだった


「麻帆良祭は毎年何故か天気がいいのよね。 肉まんもいいけど、アイスは欲しいわ」

たいしたことが決まらぬ中で一同が考えていたのは、持ち帰り用のメニューである

麻帆良祭は毎年多くの観光客で賑わい、手軽な軽食を歩きながら食べたりイベントを見物しながら食べることも多い

超達は新作の肉まんを考えてるようだったが、時期的にアイスも欲しいと千鶴は言い出す


「予定地の辺りは大学のキャンパスや研究棟が多く、サークルや学部単位でのイベントや展示会場などが多いようですわ。 他のエリアに比べると飲食系の出し物は少ないみたいですし」

千鶴の意見の参考にとあやかは前年までのイベント会場周辺の状況を説明するが、他の小中高エリアよりは大学エリアは飲食系の出し物が少ないらしい

大学部の出し物やイベントは基本的に専門的な物や大規模な物が多く、普通に飲食系の出し物をする者は少ないようだった

まあ周辺には本業の飲食店も結構あるため不便ではないが、他の区域よりは競争率が低いのだ

雪広グループがレストラン予定地に選んだのもそんな理由があるらしい


「アイスなら横島さんの方が得意ネ」

アイスをどうするかとの話をする一同だったが、あまり積極的に意見を言わない横島に超達の期待が集まる

横島としては生徒の出し物なのであまりでしゃばるつもりはないが、超を含めて一同は本業の横島の意見を求めていた


「アイスか……、簡単なのは市販のアイスをコーンとかカップに盛り付けする方が簡単だな。 ちょっとしたトッピングやフルーツやソースなんかを一緒に盛り付けすれば簡単で売れると思うが。 後は専用の機械が必要だがソフトクリームなんかもいいと思うぞ」

アイスと言われた横島だが、一から作るよりは雪広グループのアイスを盛り付けして売る方がいいと考えているようだ


「アイスは事前にある程度作り置き出来ますし、手作りでもいけるのでは……?」

「出来ない事もないけど大変だぞ。 他のメニューの仕込みや開店準備もあるしな。 言い方は悪いけど、手を抜けるとこは抜いておかないとみんなが楽しむ時間がなくなるぞ」

以前アイスも作った事のある横島なだけにあやかは手作りのアイスを考えてくれるかと期待していたようだが、横島は市販品のアレンジで十分だと告げる

確かに味は手作りの方が上だろうが、手間を考えると省ける工程は省くべきだと考えていた

2-Aのクラスメートに超包子からも人数が来るとはいえ彼女達もずっと店に居る訳にもいかないし、出来るだけ人数をかけない方法がいいのである

超と五月はそんな横島の意見にある程度納得してるようだが、限られた人数をどう使うかは思ってる以上に難しい

超包子の肉まんは比較的手間がかかるし、現実的に考えるとある程度の市販品の使用は必要であった


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