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麻帆良祭への道

そして夜になり店の厨房では2-Aの主要メンバーが再び集まっていた

あやか・千鶴・超・五月・木乃香・のどか・横島のメンバーである

他に前回居た明日菜と夕映は、今回あまり役に立たないとの事から二人は店番に回っていた


「これは凄いですわね……」

厨房に始めて入ったあやかと千鶴が驚いたのは、何より調味料や香辛料などの種類だろう

西洋料理でお馴染みのハーブやオリーブオイルから、中華料理の甜麺醤やオイスターソースなど国籍や種類は様々である

しかもそれらの全てがラベルも貼られてない容器に入れられてることから、他人が見たら何がなんだか分からない

その理由は調味料や香辛料のほぼ全てが、異空間アジトでの生産品だからである

従ってラベルの貼った普通の容器でなくて当然だった


「肉まん食うか? さっき木乃香ちゃんと作ってみたんだが」

一方超と五月は横島に勧められるまま肉まんを食べようとしていた

超包子で一番力を入れてる肉まんなだけに二人は興味津々な様子で食べるが……


「美味しいですね」

「でも普通な味ネ」

美味しいのは認める二人だったが、あまりに普通の肉まんにちょっとがっかりしてしまう

どうも過剰なオリジナリティーを期待したらしい


「普通の肉まんが一番美味いだろ、第一売り物にする為に作った訳じゃないしな」

どうも最近超達に過剰な期待をされてる事実に気付いてる横島は、微妙に苦笑いを浮かべている

横島自身は超には別に何も思うところがないのだが、彼女の裏の企みに巻き込まれるのは望んでない


(異常なまでの資金集めか…… 何か理由があるのは確かだな)

木乃香や五月と肉まんについて語る超の姿に、横島は少し前に土偶羅が調べた情報を思い出す

当初から超のオーバーテクノロジーは関東魔法協会が警戒するだけあって知っていた横島だったが、少し前に関東魔法協会ですら知らない超の異常なまでの資金集めを土偶羅が調べ上げていたのだ

資金集めの方法自体に違法性はないが、資産の隠匿は違法性が高い

まあ横島も土偶羅も法律なんぞ無視した存在な為に倫理がどうとか言うつもりはないが、資産稼ぎの過程で何かしらのズルをしてることはほぼ確実だった


(あんまりいい予感はしないんだよな)

超の謎と次々に明らかになる裏側に横島は嫌な予感をヒシヒシと感じている

まあ仮に超の目的が何であれ横島には関係ない可能性が高いのだが、間接的に巻き込まれる可能性は否定出来ない


(今のところ問題はないか)

横島は超が横島自身を探るような瞬間が僅かにあることに気付いている

表向きの料理に対する期待の他に超が横島を探るような瞬間があるのだ

まあ横島としては敵対行動をされないうちは何もする気はないのだが……

何はともあれ賑やかで楽しい空気の中、僅かに異質な空気を持つ超鈴音の行動は本人の予想以上に目立っていた

もしかすれば横島の中の誰かが警告を発していたのかもしれない


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