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平和な日常~冬~5

さてこの日の予定であるが高畑と刀子を除く近右衛門達大人組は異空間アジト内と開発中のダミー惑星の視察というか見学がしたいようで、土偶羅の分体こと芦優太郎の案内でハワイ諸島を離れて見学に行くらしい。


「海だー!」

そして残る横島達は近隣の海水浴場に来ていた。

どうも少女達は昨日洋服を貰った際に水着もゲットしていたらしく、南国に来たなら海でしょと海水浴に来ている。


「海の家があるわ。」

「日本の海にしか見えないわね。」

場所はハワイのはずでありエメラルドグリーンに輝く南国の海はゴミもなく綺麗であるが、そこはやはり南国の海岸というよりは日本の海岸にしか見えない。

南国らしいヤシの木に白い砂浜の海岸にある日本風の海の家は、何処かミスマッチのようであるが意外と違和感はない。

海岸ではやはりハニワ兵達が海水浴や日光浴を楽しんでいて、中にはサーフィンをしているハニワ兵も見かける。

尤もハニワ兵の場合はサイズ的に海水浴なのか海に浮いてるだけなのか見分けが難しいが。


「あの……細かいようですが、ここで私達が日焼けをすると不自然になりませんか?」

タマモとさよや美砂達は到着早々に真っ先に海に行ったが、横島は高畑と海の家からビーチパラソルなんかを借りてきて設置していた。

そんな中夕映が南国特有の強い陽射しに日焼けの心配をすると、高畑と刀子は気が付かなかったようで少し固まったように悩み始める。


「夜にでも日焼けを消せばいいだろ。 ヒーリングとか魔法薬で日焼けって消えるし。 日焼けはやけどの一種だからな。」

しかし横島はその点に関しては全く心配してなく、そもそも日焼けはやけどの一種なのでヒーリングや回復系の魔法薬で簡単に消えるのだ。


「魔法って便利やね。」

「確かに日焼けはやけどの一種だし、回復魔法で外傷は消えるけど。 普通はそんな使い方はしないのよね。」

横島の言葉で夕映達は安心して寛ぎ始め魔法は便利だと改めて感心するが、刀子は少し苦笑いを浮かべて普通はそんな使い方はしないと語る。

よくよく考えると日焼けは回復魔法で治るのだろうが、普通はそんな発想自体をすることがないらしい。

魔法世界は別だが地球においては日常生活で魔法はほとんど使うことはなく、特に日焼けのように直接的に害のないモノを消そうとは普通は思わないようだ。


「そうっすかね。 せっかく魔法が使えるんだからいろんな使い方した方が面白いのに。」

「貴様には分からないだろうが、使い方を変えることは普通はそこまで簡単に出来ないものなのだ。 決められた呪文で一定の現象を起こすことで精一杯だし、使い方を変えるほど応用力のある魔法使いなどほとんど居ない。」

なんというか横島はやっぱり魔法でも普通じゃないんだなと刀子だけではなく木乃香達も感じるが、簡単にいろんな使い方をした方が面白いと語る横島に呆れたようなエヴァが普通はそれが出来ないのだと語る。

そんな簡単に使い方を変えれるならば誰も苦労はしなく魔法はもっと発展しただろう。

日焼けを消すのは回復魔法で可能なのだろうが、一般の魔法使いは消費魔力と効果の関係から日焼けを魔法で消すなんて無駄なことはしないのが常識だった。

高畑と刀子に関しては魔法というより戦士系であり回復魔法自体が完全に専門外なので、エヴァ以上に回復魔法について知らないとの事情もあるが。


「そんなもんなのか」

エヴァの説明を横島と木乃香達は感心したように聞いていたが、実は横島は高レベルの魔法使いに関しては事前に調べても一般的な魔法使いに関しては必要がないのでほとんど知らないのが実情だった。

応用力に関しては元々横島という存在は無駄なほど応用力があって簡単に出来たので、その難しさを現在もあまり理解してない。
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