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平和な日常~冬~4

一方この日の横島は年末年始の料理の一部の仕込みをしながら明日菜とさよに冬休みの宿題を教えていた。

店の方は学生の常連客は少ないが近所の住人の常連客やスイーツの持ち帰り客はそこそこ来るので、平日の日中と大差ない。

横島としてはもう少し客が減るかと思ったが、お盆の時と比べると客層の幅が僅かだが広がっていたようである。


「そういえば年末年始は何日休むか決めたんですか?」

「いいや、決めてない。 どうすっか。 大晦日から四日までは休むか?」

明日菜は一応バイト中なのだが例によって横島が早めに宿題を済ませようと言い出し教えていた


基本的に明日菜が横島に勉強を教わるのは横島次第なので、バイト中も何もあまり関係なく横島が暇な時間に教わっている。

まあお客さんが来れば仕事に戻るし、横島としてはそれでいいらしい。


「日数はともかく休む日にちは早めにお知らせしないとだめじゃないですか?」

「それもそうだな。 じゃ大晦日から四日までは休みにすっか。」

同じく宿題を教えていたお盆の頃と比べると、最近の明日菜は勉強の仕方を覚えたらしくあまり手がかからなくなっていた。

横島は暇を持て余してるのか年末年始の特集が書かれてるグルメ雑誌を見ていたが、ふと明日菜から年末年始の休みについて聞かれる。

相変わらずいい加減な横島は年末年始の営業日程も特に考えてなかったが、明日菜に促されるままに休みを決めて店内と店頭で告知することにしていた。


「おおそうじは? ねんまつはおおそうじをするんだよね!」

「大掃除したいのか?」

「うん!」

そのまま横島はすぐに年末年始の休みを知らせる貼り紙を書き始めるが、タマモは待ってましたと言わんばかりに瞳を輝かせて大掃除はいつやるのかと尋ねる。

正直横島の店は日頃から閉店後に横島と異空間アジトから呼び寄せたハニワ兵達が小まめに掃除してるのであまり大掃除は必要なく、家の方も里帰り中のハニワ兵が日頃から掃除してるので必要なかった。

しかしタマモは何処からか年末はみんなで大掃除をするという情報を仕入れたらしくやる気満々である。


「じゃあ、三十日も休みにして大掃除するか? 大晦日はおせち作りで忙しいんだよな。」

結局タマモのやる気を要らないとは言えない横島は予定になかった大掃除を何時にするか考えるが、流石に大晦日はおせち料理作りがあるので大掃除をしてるほど暇じゃない。


「うん! がんばる!」

最終的にタマモのやる気に押される形で大掃除と年末年始の休みが決まるが、タマモにとっては大掃除もイベントのような物なのかと横島達は思う。

尤もタマモ自身は木乃香達やハニワ兵が居ない間は自分達で頑張らなきゃと至極まともな理由で張り切っていたのだが。

みんなが帰ってくるまでは自分が店を守るんだと何故か使命感に燃えるタマモは、大掃除を楽しみにしつつ満足げな表情をしていた。

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