GS横島 運命と戦う者

「おまえの罪を許そう アシュタロス!」


神魔最高指導者は、究極の魔体の最後の攻撃から東京を守ったあとそう言って消えた



横島は美神令子との同期合体を解消してルシオラ、ベスパ、パピリオに駆け寄る


「ルシオラ! ベスパ! 本当に良かった! 無事で良かった! 俺は… 俺は…」

横島は復活したばかりの、小さなルシオラとベスパの二人を持っているパピリオの前で泣き崩れる


「う…… …うう…… ごめんな… 俺のせいでお前達姉妹を戦わせてしまった……」

緊張の糸がキレた横島は泣き続けた


「ポチ… いや横島… あんたは頑張ったよ。 アシュ様の願いを叶えてくれた… それに私達姉妹は生きてる お前は十分頑張ったよ」


ベスパは目の前で泣き崩れてる横島を見てそう話しかけた

敵味方に別れたがベスパも横島は嫌いではない

一度は殺すほどの攻撃をした自分が復活して、泣いて喜んでいる…


神魔人界の敵だった私達姉妹を一番心配してくれてる


そんなどうしようもないくらい甘くて優しい奴

だがコイツが居なければアシュ様の真の望みは叶わなかっただろう

そして自分達姉妹に未来は無かったろう

ベスパはそれをよく感じていた


「ヨコシマ… みんな生きてるでちゅ ヨコシマは全部守ったでちゅよ」

パピリオも泣き続ける横島を心配する

横島を最初に気に入ったのはパピリオだった


それは運命だったのかもしれない…


だがパピリオは自分の見る目が正しかったのを嬉しく思った

また姉妹仲良く生きていけるのが、嬉しかった


「ヨコシマ 体は大丈夫? あなたは一度死にかけたのよ? 私の霊気構造をあげたけど、絶対大丈夫かわからないのよ?」

小さなルシオラは横島に駆け寄り、横島の体の様子を調べ始める

ルシオラは横島が心配だった

なんとか復活出来たルシオラが、今一番不安なのは横島の体だ


ルシオラの話にパピリオ、ベスパも慌てて横島の体を調べ始める


「俺は大丈夫だよ。」

横島は笑顔でルシオラ達を安心させるように話した


それから究極の魔体と戦った令子や魔鈴達、そして神魔の小竜姫達と共に横島達は帰った


その後横島は、妙神山跡地に連れていかれていた

体の詳しい検査の為妙神山跡地の仮設施設で数日過ごす

ルシオラ達姉妹はその罪は軽くは無かったが、その功績も確かだった


そして大戦の功労者である横島が、妙神山滞在中に小竜姫やワルキューレなどに再三お願いをして歩き、その願いが叶い大した罰は受けない事に決まる


彼女達には3つの未来が用意された

魔界軍に入り何年か仕事をするか

妙神山再建の手伝いをして何年か妙神山保護下で生活するか

そして、人間界の横島の保護下で彼を手伝うか…


その3つの選択肢が与えられた


あの事件を考えれば特別軽い扱いだ

それには小竜姫や斉天大聖

そしてワルキューレにジークが神魔界で調整に走って実現した結果である

彼らは横島の願いをなんとか聞き届けたかった

あの戦いで一番苦しい選択をして戦ったのは彼なのだから…

本来横島にアシュタロスと戦う必要は無い

神魔の争いなのに人間である横島に頼って解決してもらった


その横島が戦った理由はみな知っている
優しすぎる彼らしい理由で魔神と戦い

勝利した……


ならば自分達はせめて横島の望む未来を用意してやろう

そんな気持ちであった


3姉妹が選んだのは…

ルシオラ、パピリオは人間界で横島と生きることに決めて、ベスパは魔界に行くことに決めた

理由は気持ちの整理と、魔界で生きる為の足がかりが欲しかったからだ

自分達は人間界で生まれた為、魔界を知らない

自分は一度魔界で生活して、姉や妹がもし人間界で生きられなくなったら魔界で生きていけるようにと……


そんなベスパと横島の関係は良好になっていた

横島とベスパ

お互いに大切な人の為に戦ったのだだけなのだから…


横島はアシュタロスを亡くしたベスパを気遣っていたが

ベスパ自身は横島を家族のように思っていたため、お互いに良好な関係であった


しばらくして横島とルシオラとパピリオが、魔界に行くベスパを見送り街に戻った時には、美神美智恵はすでに過去に帰った後であった

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