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江戸三作の回想の感想と考察


其の153 『江戸紫花合 花菖蒲』

※花合とは左右二組に分かれて優劣を競うこと

花菖蒲の花言葉:優しい心・心意気・うれしい知らせ・優雅…など
対象:大慶&水心子


 「正秀」「直胤」とお互いに下の名前で呼び合う仲です。
 水心子は新々刀の祖として“強く、気高い刀剣乱舞でありたい”と言います。
 そんな彼に対して大慶は、“友でありたいから、しんどい時は言ってね”と言います。

 水心子は大慶の前では清麿と同様、肩の力を抜いて話せる一人です。むしろ清麿よりも、大慶の方が同年齢の、気兼ねなく何でも話せる友だちような雰囲気を感じました。もちろん清麿といる水心子もありのままなんですけど、少し清麿に寄りかかっているような、そんな感じがします。

 一方で大慶は、自分と清麿が知る素の水心子のままでいて欲しい、気丈に背伸びをして振る舞う水心子を「いつまでその感じで行くの?」と心配しています。でも、「やめなよ」とは言っていません。友として、水心子を尊重しているから、「誰も気にしないよ」とポジティブに支えています。
 2026年、水心子は極の姿になっても変わらず……いえ、さらに理想が高くなり、強くなりました。大慶は、水心子が変わらないのならば、せめて彼が潰れてしまわないように、しんどい時は弱音を吐いて欲しいと思っています。もしもそれで、水心子に対して新々刀の祖としてふさわしくないなど吐く者がいても(いませんが)、大慶は水心子の絶対的な味方で在ることでしょう。




其の154 『江戸紫花合 雪割草』

雪割草の花言葉:信頼・忍耐(冬の寒さに耐え、一生懸命に花を咲かせることから)、期待・和解・自信・あなたを信じます…など
対象:大慶&清麿

 「正秀」「直胤」と呼び合う二振りに対して、清麿は二振りを「水心子」「大慶」と呼びます。名前の呼び方だけみれば、ほんの少しだけ距離感を感じます。
 この回想では、温厚な性格で、柔和な雰囲気の清麿の声色がいつもより若干低く、わずかにトゲを感じます。

 「僕は水心子を応援している」
 「理想に向かって努力しているのを邪魔したいのかい?」

 と、今までの清麿らしくない少し強い言葉と声色で、大慶の考えを否定します。お互いが水心子のことがとても大切な存在ではあるのですが、気持ちの方向性が真逆なんです。

 大慶は“友として”、正秀らしくいて欲しいと心配します。
 清麿は“親友”として、水心子の意志を尊重したい、と反論します。

 清麿は水心子を親友だと思っているんです。清麿の方が重いです。特命調査が実施される以前から、政府に身を置いている時からずっと支えているのです。本丸にお迎えする数か月~数年前から、ずっとずっとです……。

 清麿は、水心子の意思優先したい、と言います。これは、言い方を変えれば、“清麿の意思の優先順位は低い”ということにもなりますね。「……簡単に口を出せることじゃないよ」と台詞に間があります。どこか清麿も水心子に思うことがあるようにも、あるいは己に言い聞かせているようにも聞こえます。

 最後に、「こうなるから困るんだ……」と清麿は言います。大慶が本丸に顕現することは水心子にとって、清麿以外に心許せる人が増えるわけだから、水心子が困る、ということはないですよね。ということは、困るのは清麿自身なのではないか、とわたしは思いました。それまでわたしは清麿に対し、まるでカヲル君がシンジ君に向ける感情のようなものを感じていました。でも、大慶との回想を見て、清麿って実はけっこう拗らせてるところがあったんだなと思いました。それに気づいた瞬間、彼がさらに魅力的に感じました。2026年、清麿の修行の手紙を読んでやっぱり核心しました。(清麿の手紙があまりにも好きすぎるので、別記事を書くかも)清麿は“自分は面倒くさい性分”だって認めるんです。わたしの深読みではなくなんと公式です。清麿は公式で面倒くさい性分なんです。(感無量)優しい思いやりも、向き合いたくない嫉妬心も、感情の抑制も人間味があって……もう、大好きです。

 回想回収後、改めて特命調査の入電から聞いてみました。清麿の、水心子への過保護なくらいの見守りようが印象ですね。本丸ボイスでも、

 「水心子はすごいやつなんだよ。だから主も見守ってあげてほしい」

 と言いますね。親友の水心子を心から尊敬していて、本当に大切な存在で、自分の感情なんかは二の次なくらい大好きなんですね。

 もしも、特命調査の水心子の相方が大慶だったら、
 「こんな感じでだいじょーぶだよー!」
 「正秀は気にしすぎだよー!もっと気楽にいこー!」
 ……みたいな感じで、清麿のようなフォローは望めなさそうですよね。下手したら
 「私はまだ未熟者。本丸に所属する資格はない」
 ……と、水心子が本丸に来てくれない未来があったかもしれないですね。そう思うと、やっぱり特命調査の水心子の相方は、大慶でも南海先生でもなく、清麿が適任だったのかなと、改めて思います。




其の155 『江戸紫花合 朝顔』
朝顔の花言葉:愛情・結束・明日もさわやかに…など
対象:大慶&清麿

 刀剣男士は物語の擬人化です。
 刀剣男士を形作るものとして、名前、持ち主、逸話、刀工などがあります。例として、

 ・名前の影響を受けている→浦島虎徹、乱や厚
 ・持ち主の影響を受けている→燭台切光忠、陸奥守吉行
 ・逸話の影響を受けている→にっかり青江、南泉一文字
  …などです。

 水心子と大慶は刀工の素質をより強く受けて顕現しているようです。南海先生もそうですけど、現代らしい言葉を使うと刀剣オタクなんですよね。水心子と大慶は刀の逸話云々よりも、刀そのもの(玉鋼がどうとか、地金が、波紋が、パラセンタイトが~とか)の話に興味津々なんです。
一方で清麿はというと、桜ボイスが実装された時に、わたしは、清磨は刀工を反面教師にしているように感じました。(お酒を沢山飲んで騒いでいる姿を見ると心配になると言っていました)刀工、源清麿について調べてみると、酒に女に借金に、破天荒の末に割腹自害だったそうです。清麿とは真逆の性格ですね。刀工との向き合い方は手紙でついに語られていました。
 清麿は水心子のように邁進できる強い理想はない、大慶や南海先生のように刀剣や鋼の知識に深くない。同じ江戸三作なのに、外見的要素も似て顕現できたのに、どこか隔たりがある。
 回想では、清麿は大慶を素直に認めて誉めることは出来ないのに、大慶からはいとも簡単に、刀工の源清麿の才を認めることが出来ました。そして、ついに清麿は言います。

 「僕は君に嫉妬している」
 「……君たちはとてもよく似ているよ」

 刀工や刀剣に深く通ずる大慶は、水心子に似ている存在であり、清麿のことは清麿以上に理解することが出来るんです。まあこれは清麿が勝手に面倒くさく考えているだけで、水心子と大慶はそんなに難しく考えてないです。
 「君が来るのが嫌だった」と言うのは、大慶が決して嫌いなのではなくて、むしろ水心子と似ているのだから嫌いになんてなれるはずがないです。これは大慶に嫉妬心を抱いてしまう自分を知ること、向きあうことが嫌だったのではないでしょうか。大慶が前向きで、ポジティブでいるほど、清麿の嫉妬心が深く、浮き彫りになる。でも、すぐに「嘘だよ」と否定します。清麿だって嬉しいです。大慶も、水心子と同じくらい大切なんです。だから、清麿は最後にカラッと笑います。

 清麿→大慶に対しては、水心子以上に本音で話せる旧知の仲、という感じがしました。もしも、相手に直して欲しい言動があったとすれば、清麿は、水心子に対して言わないかもしれません。でも、大慶には本音で文句を言いそうなところがありますね。

 「集めて、丹念に織り込めば、強くて斬れる鋼になる」

 大慶の台詞です。
 まるで大慶と清麿の関係にみたいだなと感じました。水心子への大好きをよく話し合って、認め合って、折り合いがつけられれば、今までよりもっと強固な絆になるはずです。どっちかを天秤になんてかけられない。三位一体、それが江戸三作です。
 水心子は新々刀の祖として求められるべき姿を、清麿はただ水心子を支えたいがために、二人とも誰かのためにばかりで、自分が置き去りになってしまっているんですよね。そこにゆるい大慶が緩衝剤として入ることで、絶妙に三人のバランスが保たれているんです。大慶実装まで4年かかりましたが、大慶がいてこその江戸三作だったんです。

 改めて回想のタイトルとして使われている花言葉を調べてみると、前向きで素敵な言葉ばかりでした。

 江戸三作は、そんな素敵な関係性が尊いです。


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