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【ジョングク/ジン +シュガ】 hug pillow

どうしてこうなった。

「………はぁー…」

もう溜め息しかでない、いや、もうそれすらもでないかもしれないし、
もうひとつ言わせてもらえるならば頭痛もしてきた。

折角の休暇が…、至福のひと時が…。

嘆きたいのは山々なのだが、嘆いていては何一つ始まらないし終わりもしないので、
この状況を打破するべく、というか、もう面倒なので二人ともをこの部屋より追い払うべく、
どうすればできるだけ揉めずに追い出せるかを瞬間的に考える。


普段ならば許容するが、今日は貴重な休日であり、静かに過ごそうと決めていたのだ。
長兄とか暴君末弟とかもうどうでもいい、騒がしいなら追い出すまでだ。

そもそもの原因を考えれば、下らないにも程があるのだ。

事の発端を思い出すと、さらにバカバカしくなってきて、心が決まった。



口元を引き上げ満面の笑みを浮かべて、お座りをしたままのジョングクに声を掛ける。

「ジョングガ、お手。」

そう言って手を出すと、俯き加減に眉を潜めて怪訝な表情をしたジョングクがこちらを向いた瞬間にぱっと表情を明るくして、意気揚々と手を乗せてくる。

どうやら俺の表情を見て、自分に軍配が上がった事を悟ったらしい。

ジョングクの変わり様に足元に纏わりついている長兄の体がビクッと強張った気配がしたが、気にしない気にしない。


見えない尻尾がぶんぶんと大振りに振り回されているようなジョングクに、変わり身早ぇなと思いつつ、よしよしと頷いて口を開く。


「後で俺のフォローちゃんとしろよ?」

「わかってますよユンギヒョン、任せてください!」

満面の笑みで応えるジョングクに若干の不安を覚えつつ、ジョングクの手を離すとくるりと振り返り足元のジンの肩をがしっと掴む。

「ジニヒョン、大丈夫です。ちょーっとジョングクの抱き枕になるだけです、大丈夫大丈夫、俺もやられましたしっていうか、もう残ってるのジニヒョンだけでしょ?さっさと覚悟決めて枕になってきてください!ほれ、ジョングガ持ってけ!」

あとは野となれ山となれ、ていうかもうどうにでもなーれ!

「ユンギ憶えてろよぉおおお!!!」

「さぁ、行きますよ、ジニヒョン!」

ジョングクに担ぎ上げられるように抱えられたジンの断末魔を見送って、扉を閉める。


抱き枕にされることくらいでなんであんなに逃げ回ってたんだか…。
ジン以外のほかのメンバーは全員お試し済みなんだから、さっさと済ませりゃいいのに。
これで厄介ごとから解放される、そう思うと漸くすがすがしい気分になれた。
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