短編夢
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武藤家、遊戯の部屋──
「ねえ遊戯くん、初めて組んだ私のデッキを見てほしいの」
「へぇ、ついにななしもデュエリストデビューか!」
ななしからデッキを手渡されて、闇人格の遊戯は構成カードの診断を始めた。
わくわくしながらその様子を眺めているななしとは対照的に、遊戯は次第に怪訝な表情になっていく。
「ねっ、私のデッキどうかな?」
「ああ。このカードなんだが……」
遊戯はななしのデッキの中から一枚のカードを示した。
「うん、ホーリーエルフだね。そのカード好きなんだー」
「……そうか、そうだな……そうなんだろうな……」
独り言のように呟く闇遊戯を見てななしは不安そうにたずねる。
「そのカード何かいけなかった?」
「いや、ホーリーエルフ自体は何も問題はない。ただこのカード……
……二十枚も入っているんだが」
「だめなの!?」
およそ半分がホーリーエルフで構成されているという衝撃のデッキを見るのは初めてだろう。
さすがの遊戯も神妙な面持ちのまま後頭部に汗マークを垂らしている。
「同じカードは三枚までしかデッキに入れちゃいけないんだ」
「そっかあ。残念っ」
ななしが困ったように笑う。
(だがそんなななしも可愛いぜ!)
「同じカードがデッキに二十枚も入っていることには驚いたがよくそんなに持っていたな。一体どのくらい買ったんだ?」
「えっとね、私もM&W始めたいなーってみんなで話してた時に海馬くんがそれを聞いていたらしくって。昨日海馬くんからどどーんとカードのパックが入った大きな箱が届いたの!」
「海馬からだと!?」
「うん。さすがにこんなにもらっちゃ悪いと思ったんだけどね、返品は受け付けないって……」
(あの野郎……後でマイクラしとくか)
「張り切ってデッキを組んでみたものの、私何もわかってなかったみたい……」
ななしはしょんぼりと肩を落とす。
それを見て遊戯は無性に彼女を抱きしめたい衝動に駆られた。
「落ち込むことはないぜ。これからオレが色々教えてやるからさ!」
「本当??ありがとう遊戯くん!」
遊戯の言葉を聞いてななしはぱっと顔を輝かせた。
(手取り足取り、じっくりとな……)
ななしに対する決闘王直々の講義は、何故かボディタッチが多かったという。
fin.
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