短編夢
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「え、出たっ……!」
今さっき購入してきたパックに入っていたのは、遊戯くんの切り札でもある最上級魔術師のカード──ブラックマジシャンだった。
ブラックマジシャンを手に取ってじっくり眺めてみる。
んーー、やっぱり素敵!
「そうだ、ソリッドビジョンで見てみようかな」
デュエルディスクを使って召喚っと !
私の目の前に、 ブラックマジシャンの姿が立体映像となって現れた。
「すごいなぁ……かっこいい……」
「──私はこの時を待っていた」
「え、今なんて、えっ!?!?」
うそうそ、ブラックマジシャンがしゃべった!?
いやまさかね……うん。ソリッドビジョンのシステムがバージョンアップしたんだよね、きっと。
呆然と立つ私とばっちり目が合ったブラックマジシャンはハッとしたように顔を伏せて、片膝をついた。
「お初にお目にかかります。予期せぬ混乱を招いてしまい申し訳ございません。こうして私の声が聞こえていらっしゃるのも、貴女様のカードへの慈愛と明鏡止水のごとく清く澄み切った御心があってのことと存じます」
「ほ、本当にお話ししてるってこと??」
私がブラックマジシャンに問いかけると、彼は確かに「はい」とお返事してくれた。
「わあ……!これからよろしくね、ブラックマジシャン!」
「は!マスターの御身は我が魂に代えてもお守りいたします」
「ふふ、ありがとう。でも魂に代えちゃだめだからねっ」
「……善処、いたします」
この場合って『はい』なのかな『いいえ』なのかな。どっちだろう。
それにしてもマスターかぁ……なんだか照れちゃうな。
私も腕を磨いてみんなが犠牲にならないデュエルができるように頑張ろう!
「じゃあデュエルの時までデッキの中に……」
「マスター、差し出がましいお願いで大変恐縮ですが、もしご迷惑でなければもう少々このままよろしいでしょうか……?」
そっか、せっかく初めての対面だもんね。
パックの中は今まで見たことないくらい
「うん、そうだね。もう少しお話ししよっか!」
その後一時間くらいおしゃべりしてたかなぁ。楽しくて時間があっという間に過ぎちゃった。
ブラックマジシャンは会話も立ち振る舞いもすごくスマートで、絵に描いたような知性的な男の人って感じだ。
……あ、絵から飛び出してきたような、っていうほうが正しいのかな。
「貴重なお時間をいただきましてありがとうございました。
肌身離さず……。
もしかして御守り効果!?
「うん、わかった。じゃあストラップケースに入れていつも身につけておくね。……あ、最近物騒だし狙われると困るから服の中にしまっていたほうがいいかな?」
「……!はい、可能な限りマスターのすぐお側に」
「了解!」
ブラックマジシャンといったんバイバイして、カードを入れたストラップケースを首から下げる。
手に取ってもう一度眺めて「私のところに来てくれてありがとう」と伝え、
胸元にあるカードからブラックマジシャンの鼓動が伝わってくるみたい。うん、確かに感じる。
もしかして、これがカードと心が通じ合うってこと??
やったね、これで私も真のデュエリストに一歩近づけた!
fin.
訪問者の方からコメントをいただいて書いた初ブラマジ夢です。
むっつりマジシャン。
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