短編夢
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童実野町某所──
ドスッ!という鈍い音と共に人が倒れ、路地裏から一人の男が姿を現す。
「チッ……クソカードばっかだぜ」
今日も不機嫌オーラ全開でデュエリスト狩りを敢行する彼の名はバクラ。
度々宿主の獏良了の体をジャックしては悪事を働くアウトローである。
と、そこで彼の胸の千年リングの指針がピン、と勢いよく立った。
「オレ様のセンサーが反応している……ななしに!!」
先刻の凶悪な表情から一変してニヤけたアホ面をひっさげ、千年リングが指し示す方向へと走り出した。
***
「~~~~~♪」
可愛らしい微笑みを浮かべ鼻唄混じりに歩くななしは、友達との買い物を楽しみ、別れた後の帰宅途中だ。
「今日はいっぱいお金使っちゃったなぁ。そろそろバイト始めてみようかな……ってあれ?」
前方から走ってくる見覚えある人物に気付き、ななしは立ち止まる。
(バクラくんだ!)
獏良との髪型の違い―デビルウィング―を見て、遠目でもすぐに獏良ではなくバクラだと分かった。
ななしは元気に腕を振って呼びかけた。
「やっほーバクラくん!」
「ようななし!今日も一段と可愛いじゃねえの!(あの愛くるしい姿がたまんねーぜ!)」
溢れんばかりの下心でバクラはそのまま走り寄ってななしを抱きしめようと腕を伸ばす。
そしてその華奢な体を強く抱きしめ──
──ることなく伸ばされた腕は虚しく空を切った。
「あぁ!?」
「十円玉見つけたー」
自分の腕の中にいるはずだったななしはしゃがんで落ちていた十円玉を拾い上げ、眺めていた。
しかも「ギザ十だ~」と嬉しそうにしている。
(クソッ、この銅クズめ……畜生……)
その後いたたまれない気持ちになったバクラは何をするでもなく、泣く泣くななしを見送ったのだった。
fin.
ドスッ!という鈍い音と共に人が倒れ、路地裏から一人の男が姿を現す。
「チッ……クソカードばっかだぜ」
今日も不機嫌オーラ全開でデュエリスト狩りを敢行する彼の名はバクラ。
度々宿主の獏良了の体をジャックしては悪事を働くアウトローである。
と、そこで彼の胸の千年リングの指針がピン、と勢いよく立った。
「オレ様のセンサーが反応している……ななしに!!」
先刻の凶悪な表情から一変してニヤけたアホ面をひっさげ、千年リングが指し示す方向へと走り出した。
***
「~~~~~♪」
可愛らしい微笑みを浮かべ鼻唄混じりに歩くななしは、友達との買い物を楽しみ、別れた後の帰宅途中だ。
「今日はいっぱいお金使っちゃったなぁ。そろそろバイト始めてみようかな……ってあれ?」
前方から走ってくる見覚えある人物に気付き、ななしは立ち止まる。
(バクラくんだ!)
獏良との髪型の違い―デビルウィング―を見て、遠目でもすぐに獏良ではなくバクラだと分かった。
ななしは元気に腕を振って呼びかけた。
「やっほーバクラくん!」
「ようななし!今日も一段と可愛いじゃねえの!(あの愛くるしい姿がたまんねーぜ!)」
溢れんばかりの下心でバクラはそのまま走り寄ってななしを抱きしめようと腕を伸ばす。
そしてその華奢な体を強く抱きしめ──
──ることなく伸ばされた腕は虚しく空を切った。
「あぁ!?」
「十円玉見つけたー」
自分の腕の中にいるはずだったななしはしゃがんで落ちていた十円玉を拾い上げ、眺めていた。
しかも「ギザ十だ~」と嬉しそうにしている。
(クソッ、この銅クズめ……畜生……)
その後いたたまれない気持ちになったバクラは何をするでもなく、泣く泣くななしを見送ったのだった。
fin.
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