『京都地下水脈の謎』編

  • 土門

    ハハハ…そうか、お前も師匠だったな

  • マリコ

    えっ?

  • 土門

    いくぞ、師匠

  • マリコはニコニコしながら土門についてくる。

  • 土門

    なんだ?
    やけに嬉しそうだな

  • マリコ

    だって、土門さんに「榊」、「お前」以外の呼び方されることなんてないじゃない。
    新鮮だわ

  • 土門

    え、そうか?

  • マリコ

    そうよ

  • 土門

    皆みたいに「マリコさん」って呼んでやろうか?

  • マリコ

    ええっ!?
    土門さんに「さん」づけで呼ばれるのは、何だか落ち着かないわ

  • 土門

    だったら「マリコ」だな

  • マリコ

    ……………

  • 土門

    榊?

  • 不意打ちの呼び捨てに、マリコの頬は真っ赤だ。
    そんなマリコを見て、土門も狼狽える。

  • 土門

    いや、その、深い意味はなくてだな…

  • マリコ

    いいわ、マリコで

  • 土門

    え??

  • マリコ

    もう一度呼んでみて

  • 土門

    ……………

  • そんな風に言われると、却って呼びづらい。

  • マリコ

    土門さん?

  • 土門

    今夜、な

  • 土門

    今夜、呼んでやる。
    それでいいだろ

  • マリコ

    え?
    あ、う、うん。
    今夜ね。
    うん、わかった…………

  • 今夜?
    今夜…の、いつ?
    どのタイミング?
    まさか………?

  • 言っちまった…。
    呼ぶなら、やっぱり“あの”時だよな

  • 土門

    ハハハ…

  • マリコ

    ふふふ…

  • 表向き穏やかに笑い合う二人だが、その脳内ではめくるめく夜の妄想が広がっていた……らしい( ≖ᴗ≖​)ニヤッ

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