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雷禅
軀よぉ……あえて立ち入ったこと訊くけどな。
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軀
なんだ、神妙なツラしやがって気色わりい。
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黄泉
ああ……まあ、何訊こうとしているのかわかる気がするが。
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雷禅
ほれ、俺と黄泉って子持ちじゃねーか。
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軀
ああ。
それが? -
雷禅
軀、今相手いるだろ?
幽助の仲間だった、飛影とかいうチビ。 -
黄泉
おや、軀様。
飛影というお名前が出た途端に、多少の体温上昇と脈拍上昇が確認されましたよ? -
軀
ブッ殺すぞ変態。
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雷禅
まあ、聞けよ。
ぶっちゃけよお、その、あのチビとの子供とか将来的に、考えたりとかあんのかよ? -
軀
……なんでそんなことを訊きやがる。
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雷禅
俺らは人間と違って、何千年でも生きていられる。
人間の言うところの、世代交代っていう概念もあやふやだ。
だが、元々その時代に生まれついて呼吸してきた、その時代の空気ってのは、確かにある。 -
軀
ま、人間寄りのてめえらしい考えだが、それは確かにあるな。
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雷禅
恐らく、これから何もかも変わる時代になる。
魔界だけじゃねえ、人間界も霊界もだ。
その時、顔になるのは、恐らく俺らじゃねえ。
幽助や、修羅だ。 -
黄泉
そうだな。
俺ら三匹は、あまりに旧時代の垢がこびりついているのだろう。
それはわかる。 -
軀
そうだな。
それは認めざるを得ねえ。
あまりにあれこれありすぎだ……。 -
雷禅
そういう頭で考えた理屈抜きでよ。
惚れた奴との子供って、欲しいとかねえのか?
おめえの子供なら、大した奴になりそうだがな。 -
軀
下手すると、オレとお前みたいに、オレの子と幽助が、一触即発の関係になるとは思わねえのか?
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雷禅
カンでしかねえが、そうはならねえ。
むしろ、俺たちは他の世界の影響の少ない閉じたタコ壺で、呑気に引っかき合いしてられただけだ。 -
黄泉
なるほど。
逆説的だが平和だったといえる訳だな。 -
雷禅
そういうこった。
だが、これからの魔界はそうじゃねえ。
もっと他の世界とのかかわりに気を配って渡って行かなきゃならなくなる。 -
雷禅
俺らみたいに、閉じた世界の中で、呑気に小競り合いなんて、してられねえはずだ。
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軀
……。
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雷禅
まあ、そりゃ外的要因の話だ。
幽助の親としては、幽助と修羅が仲良くなってるみてえに、幽助とおめえの子供も、仲良くなってるのが見たいんだよ。 -
軀
なんでだ?
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雷禅
俺のエゴでしかねえがな。
頼れる仲間は、多い方がいいんだよ。 -
雷禅
……いやいや、おめえのマタニティドレスってやつの写真でも撮って、弱みとして使ってやろうなんて、欠片も思っちゃいねえからな?ww
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黄泉
なるほど、それはなかなかそそるアイディアだなww
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軀
……ブッ殺す!!!!!!
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