ONE PEICEの連載夢小説の設定は本編の『設定・注意書き』をお読みください。
第14話 背負う覚悟
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『お父さん!』
『ん?何だ?』
拾数年前、晩酌をしていた父に聞いたことがあった。父にとって『この世で一番大切なモノ』は何かと・・・。
父はしばらく考え込んでいいたが盃を置いて幼い自分を膝に乗せた。
『家族だな』
『それって私たちのこと~?』
『ああ、お前もシルフも母さんも祖父さんも島のみんなも皆、大切な家族だ。
父さんはな、命が一番綺麗なものだと思っている。だから大切にしたいんだ』
『でもお父さん、剣術を使ってるよね?』
人を斬るということはその命を奪うこともしているということだ。
『そうだな、父さんはこれまでその命を幾つも奪ってきた。だから本当はこんなこと言うのは許されないかもしれない。
だがな、失うことが分かっているからこそ余計に大切だと思うんだ』
幼い自分には父が何を言っていて何を考えているのか分からなかった。
『カヤノ、これだけは覚えておいてくれ』
『?』
『絶対に心を黒く染めるな。
人が人を殺めるのには理由がある、それが善意でも悪意でも・・・、だがこの世に生み出されたモノを消すことに違いはない。
父さんはお前に『殺す術』を教えたんじゃない、『守る術』を教えたんだ。それをどうか忘れないでくれよ』
『・・・うん!』
『それからもう一つ』
『な~に?』
『お前はお前らしく生きろ、大きく強く、美しくな。お前は太い幹に美しい花を咲かせる大樹だ、今後の人生で自分らしく成長するんだぞ』
――――――――――――――
「太い幹に美しい花を咲かせる大樹・・・」
自分はもう大輪を咲かせて散ってもいいと思っていた、でも違う。
自分はまだ『種』だったのだ、今、やっと芽吹いた。
殻を破って、土を搔き分け、地上に芽吹いた種。自分の成長はここからだったのだ。
「そうですね・・・今、あの世に行ったら父に叱られてしまうっ・・・三途の川も渡してくれないでしょうねっ」
涙を滲ませた目を緩ませて答えた。
「だろ?お前の人生はこっからだ」
ゾロもニヤッと笑うと上から声が聞こえる。
「おおお――――いィィ!!大丈夫かあぁ―――!!?」
ルフィだ、自分やゾロが飛び降りた穴からこちらを見下ろしている。
「おう!この通りだ!」
「・・・・・・」
「ニッシシシシッ!!」
ゾロとカヤノが手を振るとルフィは嬉しそうに笑っている。
その後、第二研究棟に行っていたチョッパーと第二、第四研究棟に行っていたノームとウィンディ、第三研究棟に行っていたハヤアキたちが合流した。
頭を失った棘海賊団の船員たちは各々船で彦名島から退去、幹部のイングリットもいつの間にか姿を消していた。
マルメゾンとマルランはそれぞれの戦闘で死亡、陰湿な人間ではあったもののカヤノの配慮で彦名島の今まで棘海賊団が殺めてきた者達と同じ場所に葬られた。
こうして二年間に及ぶ彦名島の悲劇は幕を閉じたのだった。
続く
『ん?何だ?』
拾数年前、晩酌をしていた父に聞いたことがあった。父にとって『この世で一番大切なモノ』は何かと・・・。
父はしばらく考え込んでいいたが盃を置いて幼い自分を膝に乗せた。
『家族だな』
『それって私たちのこと~?』
『ああ、お前もシルフも母さんも祖父さんも島のみんなも皆、大切な家族だ。
父さんはな、命が一番綺麗なものだと思っている。だから大切にしたいんだ』
『でもお父さん、剣術を使ってるよね?』
人を斬るということはその命を奪うこともしているということだ。
『そうだな、父さんはこれまでその命を幾つも奪ってきた。だから本当はこんなこと言うのは許されないかもしれない。
だがな、失うことが分かっているからこそ余計に大切だと思うんだ』
幼い自分には父が何を言っていて何を考えているのか分からなかった。
『カヤノ、これだけは覚えておいてくれ』
『?』
『絶対に心を黒く染めるな。
人が人を殺めるのには理由がある、それが善意でも悪意でも・・・、だがこの世に生み出されたモノを消すことに違いはない。
父さんはお前に『殺す術』を教えたんじゃない、『守る術』を教えたんだ。それをどうか忘れないでくれよ』
『・・・うん!』
『それからもう一つ』
『な~に?』
『お前はお前らしく生きろ、大きく強く、美しくな。お前は太い幹に美しい花を咲かせる大樹だ、今後の人生で自分らしく成長するんだぞ』
――――――――――――――
「太い幹に美しい花を咲かせる大樹・・・」
自分はもう大輪を咲かせて散ってもいいと思っていた、でも違う。
自分はまだ『種』だったのだ、今、やっと芽吹いた。
殻を破って、土を搔き分け、地上に芽吹いた種。自分の成長はここからだったのだ。
「そうですね・・・今、あの世に行ったら父に叱られてしまうっ・・・三途の川も渡してくれないでしょうねっ」
涙を滲ませた目を緩ませて答えた。
「だろ?お前の人生はこっからだ」
ゾロもニヤッと笑うと上から声が聞こえる。
「おおお――――いィィ!!大丈夫かあぁ―――!!?」
ルフィだ、自分やゾロが飛び降りた穴からこちらを見下ろしている。
「おう!この通りだ!」
「・・・・・・」
「ニッシシシシッ!!」
ゾロとカヤノが手を振るとルフィは嬉しそうに笑っている。
その後、第二研究棟に行っていたチョッパーと第二、第四研究棟に行っていたノームとウィンディ、第三研究棟に行っていたハヤアキたちが合流した。
頭を失った棘海賊団の船員たちは各々船で彦名島から退去、幹部のイングリットもいつの間にか姿を消していた。
マルメゾンとマルランはそれぞれの戦闘で死亡、陰湿な人間ではあったもののカヤノの配慮で彦名島の今まで棘海賊団が殺めてきた者達と同じ場所に葬られた。
こうして二年間に及ぶ彦名島の悲劇は幕を閉じたのだった。
続く