第8話 前触れ

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この小説の夢小説設定
ONE PEICEの連載夢小説の設定は本編の『設定・注意書き』をお読みください。
ゾロヒロイン
マルコヒロイン

「ムシムシの実・モデル:ホタルは能力者自身をホタルの姿にするのも可能で体に光を貯めて攻撃してくることもできます」

「体に光を貯める・・・面白い能力ね」

ロビンも興味深そうだ。

「ただしこの子は棘海賊団での私の協力者です、できればほどほどに闘っていただけると助かります」

「こいつも協力者なのか?!でもこいつは俺たちは逃がさない気満々だったぞ!?」

「トーマスが本気で阻む気ならルフィさんだけ戦闘不能になんてしませんでしたよ、おそらく皆さん重症でした」

「え?じゃあどうして・・・」

「彼はわざと目くらましを使って船長のルフィさんだけを狙ったんです、アワもいましたしね」

「アワ?何でアワが?」

「アワとトーマスは友達なんですよ、ね?」

「うん!」

トーマスは元々孤児でスリをしながら生活をしてきた、ムシムシの実もとある海賊団が手に入れて酒場で見せびらかしていたのを盗んで食べたそうだ。
能力者になってから独自にコツを掴み、街をふらついているゴロツキたちを相手にして実力をつけてきた。
そしてバーグマンがトーマスのことを聞きつけて仲間に誘ったのだそうだ、トーマスも食いっぱぐれることもなく、また能力者を重宝してくれるとのことなので入団を承諾した。
しかし彦名島に上陸し、バーグマンとフツヌシとの戦いを見てから彼の中で何かが変わっていった。
自分の時は自分の方が弱かったと認めざるを得なかったがフツヌシはバーグマンより強かった、しかし彼は見苦しくフツヌシが背を向けたところを不意打ちしてまで殺したのだ。

「トーマス、悩んでたよ。
私偶然だけど見ちゃったんだ、すっごく悩んでた」

アワはフツヌシが殺し、カヤノを無理矢理パイプ役にし、縛る棘海賊団が嫌いだった。だからトーマスのことも最初は大嫌いだった。
でも畑からの帰り道、森の中にある水辺で落ち込んでいるトーマスを見つけたのだ。

「・・・・なあ、俺、このままでいいのかな?俺、バーグマンに今のままついて行っていいのかな?」

ホタルに語り掛けている。

「俺・・・力さえあればそれでいいのかと思ってた、でも、バーグマンがあの人にしたことは・・・」

あの人とはフツヌシのことだろう。

カヤノの親父さんは正々堂々と戦った、力があっても約束を守って・・・それにバーグマンが約束を果たすチャンスだってくれたのに・・・」

バーグマンが自分自身で島を出れるように五体満足で見逃した。それを破ったのはバーグマン自身だ。

「だから私、彼に言ったの。
『戦う力のある人が強いんじゃないよ、守る者がある人が強いんだよ』って、だってフツヌシさんやカヤノお姉ちゃんは私たちを守るために力を使ってるんだもん。
バーグマンみたいに何かを奪うために力なんて使わないもん」

「トーマスは今までバーグマンや海賊団の『人間の黒い部分』しか見てきませんでした、そうではない人間の背中を見ていれば考え方も変わります。
実際、自分のボスの行動に疑念を抱き、アワと言葉を交わして、島の人間の姿を見て変わったんでしょう。だから私に進んで協力すると申し出てくれたんです。

私は二年間協力してくれた彼にはチャンスをあげたいんです、お願いします・・・、もし何かあれば私が対処します」

「・・・・わかった、お前の大事なヤツだからな」

「ありがとうございます」

ルフィの答えに微笑むカヤノ、そして説明を続けた。

「そして三人目、『恋バラ』のイングリットです。ゾロさんはご存知ですよね」

「ああ、俺の額に石を蹴り飛ばしてきた女だ」

米神をピクピクさせているゾロ。

「お前、そんなことされたのか?」

「随分出血が多いと思ったけどよぉ・・・まさか蹴り飛ばされた石が当たってできたものだったなんて、一体どんな足技だよ・・・」


ゾロの額の傷は小さいとはいえ、パックリいっていたので数針縫ったのだ。
ウソップと縫合を行った張本人のチョッパーはドン引きだ。

「彼女は踊り子です、ですが自分の体や服に汚れや傷がつくのを嫌がるので滅多に戦闘には参加しません」

「え?でも海賊団に身を置いているからには戦闘要員なんでしょう?」

「ええ、踊り子らしく足技で攻撃してきます。特に自分よりもチヤホヤされている相手には容赦がありません、相手が同じ女で年が近ければ近いほど、そのやり方は醜悪です」

「やられた経験があるのかしら?」

「ええ、バーグマンは海賊団の女性陣の中でも何かと私と関わってましたから。
イングリットは彼の恋人でもありますから自分の男が他の女と話しているのが気に食わなかったようなので陰口、私の私物を壊すなど幼稚な事を数々してきましたよ」

本当に同年代なのか疑いたくなるほどだったと遠い目をしているカヤノ
その様子を見て、当時のことはわからないものの相手しているだけで疲れるのはわかった。
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