「出たァ！！」

「いつの間に！？」

「でけェっ！！！」

瞬間移動したとでもいうのだろうか・・・暴君くまの移動の速度に皆動揺している。

「くそっ！！やっと自由になれるってのに！！こんなところで死んでたまるかァ！！！」

「やめなお前たち！！相手が悪すぎる！！」

各々武器を構える部下たちにローラは叫んだ。


『うおおおおおォォっ！！！』


一斉でくまに襲いかかるが――・・・・。







ポン――・・・・






バコオォン！！




「！？」




ローラの部下が複数人まとめて吹っ飛んだ。



「な、なんだ！？」

「触れてねェのに後ろの奴らまでっ！！」

「何かが貫通したぞ！！」



ローラの部下たちには見えなかったようだがカヤノには微かだが見えた。


〈圧力・・・〉


ドミノ倒しのようなものだと言えばいいのだろうか・・・・おそらく暴君くまの攻撃の圧力が人間一人当たりの耐久性では間に合わず後ろの面子も巻き込んで吹き飛ばしたのだろう。

「待たせたな・・・」


「「！」」


「まずはお前たちから始めようか――・・・」


くまがゾロと自分に向き直る。

「き、汚ェぞ！！今麦わらたちがどれ程の戦いを終えた後か知らねェわけじゃあるめェ！！」

「そうだそうだ！！」

「俺たちが相手だ！！」

「七武海が何だってんだ！！」

「おうよ！お前なんてオーズやモリアに比べりゃデカくもねェや！！！」



「下がってろ、お前ら！！！」


ゾロの声に止む声。


「こいつは俺とカヤノを御指名なんだ、そもそも俺たちは『二人で請け負う』と言った筈だ。
加勢はいらねェ・・・・恥かかせんじゃね　ェよ！！！」


「・・・・・・」


二人の刃のような目を見るくま。


「なかなか評判が高いぞ、お前たち」

「「？」」

「麦わらのルフィの船には腕の立つできた子分が数人いるとな――」


「「「「「イヤイヤイヤイヤ～～～～～っ！！！どうもどうもどうも～～～！！！！」」」」」

「一人残らず照れとる場合かァ！！！」

実際に照れているのはナミ、サンジ、ウソップ、チョッパー、フランキーの五名なのだがローラが一喝する。


「色々と騒ぎを起こしている以上、知らず知らず名が上がるのは何も船長だけではない・・・・バーグマンが居座っていた二年間で軍艦三隻を破壊、海兵だけでも上位階級を含めて二万人・・・、お前も名が麦わらの一味と同じほどに懸賞金が上がっているということだ、そうだろう・・・『青バラ』のカヤノ」

「ああ・・・そんなこともやったっけね」


あっさり認めてしまったカヤノ。