第14話 平和の杖~パシフィック・ワンド~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「ま、ちやが、れ・・・」
承太郎が這いずり、手を伸ばそうとするが重さには逆らえない。
「承太郎ォォ――――!!」
小瓶を叩く里美。
「あら、泣けるわね。でも駄目よ、あなたが行くのはDIO様のところ・・・」
「そうはいかないな」
「!?」
「『法皇の緑(ハイエロファント・グリーン)』!!」
「つっ!」
ハイエロファント・グリーンがイシズの身動きを封じ、耳の中から侵入していく。
「ああっ!は、ハイエロファント・・・グリーンッ!?」
「さて、これであなたの動きは封じた」
「いつの間に・・っ」
「ふふふ・・・敵には見つからずに動けるのが僕らのスタンドの優位なところでね」
隣りにいるジュナを見る花京院。
「さて、ハイエロファントをこれ以上、体内に入れたくはないだろう?
承太郎たちからあなたのスタンドの力を解いてください。さもないと体の内部からあなたを破裂させますよ?」
「くっ・・・」
さすがに内部まで入られたらどうにもできない、イシズは仕方なく重力の力を解いた。
すると承太郎がイシズの持っていた小瓶を奪い返す。
「里美」
小瓶から里美を出してやる。
「次は大きさも元に戻すんだ」
「・・・・・」
そしてスタンドの力を完全に解かされるイシズ。
「ジュナ」
「『癒しの樹(レスト・ウッド)』」
レスト・ウッドがイシズの頭に手を置いたかと思うとフッと意識がなくなった。
「おい、何をしたんじゃ?」
「眠ってもらったの、レスト・ウッドで精神を安定させて意識を緩ませたの」
「なるほど、一種の催眠か・・・」
「しかし、花京院、ジュナ・・・礼を言うぞ。あのままであったなら里美は連れ去られ、我々も動けなかっただろうな。
だが・・・どうやってここに・・・?」
「この子のおかげですよ」
花京院の肩にアイス・ドールが乗っている。
「もしや・・・」
「はい、私はアイス・フェアリーでアイス・ドールを2体作り、1体を空条くんへ、もう1体を花京院くんたちと別れたあの仕立て屋さんのところに行かせたの」
「それで僕たちは迷うことなくここにこれた」
スタンド能力が解け、完全に元の大きさに戻れた承太郎たちと里美。
「本当に機転が利くというか・・・さて、この人どうします?」
「こいつ・・・俺たちのこと小馬鹿にしやがって、一言言ってやらねえと気が済まねえぜ!!・・・ん?」
するとポルナレフがイシズの額を見る。
「こ、これは・・・」
「肉の芽・・・ということは・・・」
どうやらこの女性も訳ありのようだ。
――――――――
「ん・・・」
イシズは目覚めた。
「・・・・・いつッ」
起きようとしたらズキンッと頭が痛む。
「ああ、まだ起きたらダメですよッ」
ちょうど戻ってきた里美とジュナがイシズを止める。
「こ、ここは・・・?」
「ホテルですよ、私たちが宿泊しているホテル。あの後、あなたを一緒に連れてきたんです。
それからあなたの額にあったDIOの肉の芽・・・取り除かせてもらいました」
「え・・・?ああ、だから・・・」
頭を抑える。
「何で助けたの?私・・・あなたを誘拐しようとしたのよ?仲間を玩んだ・・・」
「・・・・肉の芽があった人は何らかの事情を持っている人だから」
「最初に私の言い分を聞いてくれるってこと・・・・かしら?」
「はい」
「・・・・・」
イシズはため息をついた。
「さすが『癒し』の能力を持つスタンド使いね。優しすぎるわよ。
じゃあ、聞いてもらいましょうか・・・といっても私は、逃げ切れなかったのよ」
「逃げきれなかった?」
「私はねアメリカ出身で各地を転々としていたマジシャン。スタンドを使わなくても衣食住には困らないくらいは稼いでいたわ。
たまにはマジックをしながら踊ったりもしてた、だからね芸にはこと欠かなかったの。
あるとき・・・・エジプトのナイルの街に行ったときだったかしら。
あいつが・・・DIOが私の泊まっているホテルに現れたのよ」
「え?」
「その日のマジックショーを終えてチェックインして部屋に入った時、DIOはもう中にいたわ。
恐ろしい・・・最初にそう思ったわ。情けないことに腰抜けちゃったのよ」
苦笑するイシズ。