第12話 女帝~エンプレス~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「ぐぎぎ・・・ぎひひひ!!どこへ行っても何にもなりゃあしないよ!
これでまたどんどん承太郎たちから離れていくよッ!!アンタは早かれ遅かれ終わりなんだよおぉ!!」
縛り付けられながらも笑うエンプレス。
「ジュナ!奴からスタンドを放せ!」
「へっ・・・?」
「何をするつもりなんだい?アンタたちに残されている手はもうないんだよッ!」
「フン!わしがやみくもに疲れるためだけに走り回っているとでも思ったのか?
貴様の息の根を止めるために走っていたんじゃよッ!
ジュナ、早く放すのじゃ!!」
「は、はい・・!」
レスト・ウッドを放した途端、ジョセフはあるものに向かって走り出す。
「わしが走っていたのは貴様をこれの中に突っ込むためじゃあ―――!!」
そう言ってドラム缶の中に入っている液体にエンプレスを腕ごと突っ込んだ。
「ゴボゴボ・・グボ、ボボボ・・・」
エンプレスの苦しそうな声がドラム缶の中から聞こえてくるが、次の瞬間、釘がジョセフの首に刺さった。
「!」
「きゃあぁ!?」
「ハハハッ!このボケ老人が!!」
なんとエンプレスが液体の中から腕を伸ばして持っていた古釘をジョセフの首に突き刺したのだ。
「拾っていたのさ!あの市場でお前をタコ殴りにする前にね!お前がいろんなところを走り回ってくれたおかげでアタシは食料の他にも凶器を手に入れることが出来たというわけさ!
さあ、これでアンタの頸動脈を掻き切ってやるよッ、こんなドラム缶の液体に突っ込んでアタシを窒息させようとでも思ったのかい?
しねーよ!!あたしゃ、お前の肉体で実体化はしているが生物じゃねーんだよ!ルールを忘れたのかい?
『スタンドはスタンドでしか倒せない』!」
釘を奥に突き刺そうと力を込めてくるエンプレス。
「そういえば戦いの年季の違いを見せてやるって言ってたね?残念だったねッ、年季もクソもあるもんかい、アンタはただの年齢をくっただけのおいぼれジジイだろーがッ!!」
「ぐうう・・・」
ジョセフは義手でかろうじて止めているが先ほどのエンプレスの打撃のダメージで義手が壊れかけているため力が入らない。
「ジョセフさん!!」
「もう遅い!そーおれもう一押しッ!脳軟化人生もここまでだね。チュミミ~~ン!!
ジュナ、あんたもすぐにジョースターの後を追わせてやるよッ、このアタシを倒す方法など何一つ・・・・つっ!?」
そこまで言うとエンプレスの体が固まる。
「ううっ・・何ィィ・・!」
「!?」
「え?『何一つ』なんじゃと?年齢取って耳が遠くなったかの!
『何一つ』の後がよおー聞きとれんかったのォ、何て言ったのか、もう一度言ってくれ」
「っ!?コールタール!!
突っ込んだのはコールタールの中か!窒息させるためではなくアタシを固めるためだったのかッ!!」
「でも・・・どうしてあの中にコールタールが入ってるってわかったんですか・・?」
「ニシシシッ!」
ポカーンとしているジュナににやついてジョセフはハーミット・パープルを出す。
「はっ!?まさか、念写したなッ!!アタシがそこの小娘に捕まっているとき、スタンドで地面に地図を作り、コールタールの場所を念写したなッ!!」
「あ、あんな僅かな時間で念写を・・・すごい」
「ま・・・これで戦い年季の違いというのが、よおーくわかったじゃろう?
『相手が勝ち誇ったときにそいつは既に敗北している』
これがジョセフ・ジョースターのやり方、老いてますます健在ってところかな?
そしてジュナ、ここからは君にも手伝ってもらうぞ」
「はい・・!」
レスト・ウッドが木を生やし、ジュナはその木を伝い、上の手摺のある塀へ飛び移る。
そしてハーミット・パープルとレスト・ウッドの蔓がエンプレスに巻き付く。
「はぐっ!!うぐぐ・・っ!!」
「さーて、スタンドのルールだ。
『スタンドはスタンドでなら引きはがせる』!
それをお前は『やめて、それだけは』という」
「や、やめてッ!やめて!それだけはッ!」
「いいや!駄目だね!!
わしだって痛いんだ!子どもというのはいつまでも親のスネをかじってちゃいかん、大きくなったら・・・・・」
ジョセフは下にジュナは上に同時にエンプレスを引っ張る。
「独り立ちせにゃあいかん!!」
「グギャアアア!!!」
エンプレスは締め付けられ、蔓が食い込み、破壊された。
「ふうぅ~~~」
「ジョセフさん・・!」
レスト・ウッドで降りてきたジュナが駆け寄る。
「大丈夫ですか・・・?」
「ああ、心配ない。今回は君に助けられた、礼を言うぞ。ジュナ」
「いいえ・・・早く気づいていたのに伝えるのが遅くなって、ごめんなさい・・・」
ジョセフはしょんぽりしているジュナの頭を撫でる。
「な~に、お前さんのおかげでスタンドも倒せたんじゃ!大丈夫じゃよ!
それにしても君のスタンドは幻影だけでなく植物でも攻撃できるのじゃな、そこまでの能力を使いこなせるのは大変すばらしいことだ、もっと自信を持ちなさい」
「・・・・はいっ!ありがとうございます!」
「やっと笑ったな。
どれッ!ではスタンド使いの本体を探しに行こうかのう、スタンドを破壊した今、本体も傷を負っているはずじゃ」
「はい・・!」
――――――――
その頃、ポルナレフはというと・・・。
連れ回していたネーナの突然の告白により今まさに口付けをしようとしていた。
「そ、それじゃあネーナ。愛の誓い、恋人同士のキスをしようか♡」
顔を近づけようとしたとき、ネーナの様子が変わった。
「う、うう・・・うごごッ!!」
「うおわあぁぁ!?」
ネーナが体をくねらせたかと思うと口から何かを吐き出した。
そしてネーナの胸辺りから太った醜女が出てきた。
「なッなんだ―――!?こいつは!」
「あ、この人です・・!」
「え!?」
振り返るとジョセフとジュナが立っていた。
「そいつがスタンド使い『女帝(エンプレス)』の本体か」
「な、何~~!?」
「こんな醜い女に人面疽がくっついて肉人形と化し、美人にカモフラージュしていたとはなあ。
迂闊だった、まんまと騙されたな、ポルナレフ」
「オ、オエ~~・・・」
その後のポルナレフの落ち込みようは半端なく、ジュナと里美が長時間慰めていた。
そしてジョセフが調達した車で一行はインドの国境を越えるため出発したのだった。
続く