第12話 女帝~エンプレス~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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しかし苦しい状況なのに変わりはない、何せ承太郎や里美たちがいる方向と逆方向に来てしまった。
いや、エンプレスのせいでそう仕向けられてしまっているのだ、戻ろうにも後ろから警察のパトカーのサイレンが聞こえる、容易には引き返せないだろう。
ジョセフは左腕を拾ったボロ布で隠しつつ、ジュナを連れて逃げ回っている。
「どうするんですか・・・?このままじゃ、どんどんみんなとはぐれてしまう・・・ッ!」
「う、うむ・・・ッ」
ジョセフもジュナの言いたいことはわかっている、しかしジョセフは疲弊していた。いくら年齢の割に若いと言われる身であっても所詮は60代の老体だ。
しかも自分の腕にスタンドが寄生されている、謂わば自分のエネルギーを喰われているのだ。疲れていても仕方がないというものだ。
ガブガフッ――――
「「つっ!?」」
そのうち二人は妙な音に気が付いた。
バリバリ!ムシャムシャ!コリコリッ!
「こ、この音・・・!」
「・・・・・・!?」
そう、その音はジョセフの隠された左腕から聞こえるのだ。
「何・・・?何を、しているの・・・!」
するとボトッと何かが落ちた。
「「!?」」
それはかじられたて芯の見えた林檎だった、他にもバナナの皮、歯型のついたキャベツ、ジャガイモなど――。
「キャベツ、リンゴにジャガイモまで・・・な、何をしておるッ!」
ジョセフが声をあげると一旦動くのが止まる左腕。
「チュミミミ~~~ンッ・・・喰ってるんだよ!食事中なのさッ!!ジョースター!!」
「食事・・・ッ!」
「そうさ!でっかくなるためにねッ!食事してるのさッ!!」
次の瞬間、ボタボタッと生臭い匂いがする。
血だ、血液が滴ってきている。そして鶏の首も一緒に落ちてきた。
「に、鶏ッ!?」
「も、もしかして今通ってきた市場で・・・っ!!」
「こっ、このォ!!」
布を引っぺがすが――・・・・
ドゴッ!!
「ブッ!?」
「ジョセフさん・・・!!」
エンプレスがジョセフを殴りつけたのだ。
「チュミミミ~~~ンッ!こんなにでかくなったわよっ!
『親のスネかじり』・・・いや『腕かじり』と呼んでパパ!チュミミミ~~~ン!!」
「このブス女がっ!!」
「プッ」
鶏の骨を口から吐き出すエンプレス。
「くっそ!本体はどこじゃ!この近くにいるはずじゃ、どこだ!?どこにいるんじゃ!!」
「言うわけないだろ!ギャハハハ、お父様~~ここまで育てていただいてありがとう」
ニヤつくエンプレス。
「このッ、ハーミット・パープル!」
「うごっ・・!ぐふふふ、お父様?こんなに自分の子どもをきつく縛っちゃあ駄目じゃないのォ・・子どもは自由に・・・・育てなくっちゃあねええ―――!!」
ガブッ!!
エンプレスがジョセフの腕に噛み付いた。
「オオーーのオオオオオ――!!」
「ジョセフさん!!こ、このままじゃ・・・」
念写の能力のハーミット・パープルは確かに有効なものだ、だが時と場合による。
むしろ力業などは得意ではないため今この状況は不利であろう。
「あちょお~~~~!!!」
「「!?」」
「ウフフ・・・・もう完璧にアンタをぶち殺せる状態になったわ。
ほら、だってもうアンタの首に手が届くもん!首の頸動脈をプツーンと切ってしまえばお終いですものね!!
アンタも手を出せるものならやってごらん、ジュナ。アンタのレスト・ウッドより私の方が先にジョースターを殺せる距離にいるんだ。
アンタのスタンドはスピードが遅いのはもう知ってるんだよ!アタシはね!!」
エンプレスはジョセフの首元に手を伸ばす。
「お父様~~、私の力がどんな威力かっていうのはもう証明済みよねえ!!」
エンプレスは構えを取り・・・。
「ハヤアアーッ!!ゥアチャ―――ッ!!」
グワシャーン!!
「あちょっあちょあちょあちょあちょぉ――!!」
ドドドドドドドドドッ!!
エンプレスは拳を次々に繰り出している。
ジョセフは義手で攻撃を受けとめるもエンプレスの打撃は強すぎてヒビが入り、砕ける。
「ダメー!!」
たまらずジュナはレスト・ウッドの植物の蔓でエンプレスを縛る。
「このッ邪魔しやがって!!」
「ジュナ!よくやった!そのまま走れぃ!!」
「はい!」
2人はまた走り出す。