「な・・・何ィィ～～！？」


「ククク・・・ここだ・・・」


振り返るとハングドマンと同じようにゾンビのような顔立ちの男が壁の陰から現れた。


「バァカめー！俺がJ・ガイルだ！！」


そいつは紛れもなく両腕とも右手の男・J・ガイル。


「そいつは・・・その村にいたただのこじきだよ！俺と同じ個所にちょいとナイフで切れ目を入れておいたのさ、まんまと引っかかったな！！ヒヒヒヒ！！

俺の顔も知らないのに不用心に信じ込んで近づいたのが大チョンボォ！！」


「つっ！！この、アイスショッ・・・」

「へ――っ！ちょっと待ちな、周りをよく見てみるんだな！！」


「「「！」」」


「おおーい、集まれ！この旦那たちがみんなにお金を恵んでくださるとよォ――！！」

「なっ！？」


その声を聞いてこじきたちがポルナレフと花京院を取り囲む。

「ポルナレフ！花京院くん！」

「ククク・・・ポルナレフ、花京院、これがどういうことか、理解できるか？」

「！？」


２人だけでなく里美にもJ・ガイルが何を言いたいのか分かった。
今、ハングドマンはポルナレフの瞳の中にいる、そしてその周りに人が集まるということは反射物に取り囲まれるということ。


「俺のスタンドを見切っただとォ？軌道を移動中に攻撃すればいいだとォ？
バカめッ！俺は自分のスタンドの弱点はとっくに知っていたわッ！
映るものを多くし、軌道がわからなくなれば、もはや弱点はない！！」

瞳を通して攻撃してくるハングドマンに体中に傷をつけられていくポルナレフと花京院。

「くっ！」

「ククク・・・もう逃れられん！一度に全員を爆破でもするかい？」

J・ガイルは負傷している２人に気を取られている里美を後ろから羽交い絞めにする。


「いやっ！放して！！」

「おうおう！イイ声で啼くね～～！こりゃあ、ヤる時が楽しみだ！！」


「ちくしょ～～っ！」

「里美っ！」


捕らわれた里美を助けようとするもハングドマンの攻撃に苦戦する。

「ポルナレフ！
青春を犠牲にして俺を追い続けたのに・・・ああ～～～あ、途中で挫折するとは、なんてつまらない・・・さびしい人生よのォ！
そしてこのJ・ガイル様はおめえの妹やこの高瀬里美のようにカワイイ女の子をはべらせて楽しく暮らしましたとさ！！

・・・・・クククク、泣きわめくのが上手かったな、お前の妹はよ～～・・・へへへ」


「や・・・」

また妹を侮辱され、怒りに燃えるポルナレフ。



「野郎ォ～～～～！！！！」



無理に突破しようとしたポスターを花京院が止める。

「ポルナレフ、そのセリフは違うぞ」

「！」

「仇を討つ時というのは『野郎』なんてセリフを吐くもんじゃあない、こう言うんだ！


『我が名は花京院典明。

我が友人アヴドゥルの無念のために！左にいる友人ポルナレフの妹の魂のやすらぎのために！

死をもって償わせてやる！！』ってね」


そう言うとポケットから金貨を取り出した。

「拾った者にはこの金貨をやるぞッ！顔が映るほどピカピカの金貨だ！」

「「！」」

「え！？」

花京院は空中に金貨を弾いた。
空中に飛ばされた金貨に周りの目は集まる。

「なあぁ～～るほど、花京院！」

「ええ、ポルナレフ！これでみんなの目が一点に集まった！
奴のハングドマンが移動しなくてはならない軌道はわかった！」

「ああ！メルシー、花京院！！」

するとポルナレフは正面の男に砂利を蹴り上げた。


そして男の目が閉じた瞬間・・・。




「ぎゃああぁ！！」


J・ガイルの体から血飛沫が上がった。