第11話 皇帝と吊られた男~エンペラーとハングドマン~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「「!?」」
あることに気づく。
アヴドゥルの後ろに水溜まりがあり彼の背中を映している、その水溜まりの中に・・・。
「ぐあっ!」
「あ・・・」
「アヴドゥルさん!!」
アヴドゥルが後ろを振り向くと・・・水溜まりの中には包帯グルグル巻きのミイラのような人物がおり、そいつが自分の背中にナイフを突き刺していた。
アヴドゥルは背中から血飛沫をあげて後ろへ体勢を崩した、そこへ・・・。
「「「!」」」
アヴドゥルの眉間にホル・ホースの弾丸が命中した。
アヴドゥルのしていた額あてが血に染まり、はらりと落ちた。
「あ・・ああ・・」
「アヴドゥルさんッ!!」
里美と花京院がアヴドゥルに駆け寄る。
「ほう~~、こいつぁ、ついてるぜ!
俺の銃とJ・ガイルの鏡はアヴドゥルの炎は苦手でよぉ。
一番の強敵はアヴドゥルと思ってたから・・・・ラッキー!この軍人将棋はもう怖い駒はねぇぜッ!」
ハジキを回しながら喜ぶホル・ホース。
「アヴドゥルさん!アヴドゥルさん!」
アヴドゥルの体を揺さぶる里美。
「動かしたら駄目だ、里美!大丈夫さ、気を失っているだけだ!」
「でも、出血が・・!」
「大丈夫だ!すぐに起き上がる、返事をしてくれる!!」
しかし花京院の言葉も虚しくアヴドゥルは目を覚まさない。
「アヴドゥルさん・・・そんな、そんな・・嫌だ!嫌だああぁぁ!!」
アヴドゥルに縋り付いて泣く里美に寄り添う花京院。
「説教好きだからこうなるんだぜ、何て様だ」
「っ!・・・なんだと?ポルナレフ・・・、助けてもらったくせに!」
「誰が助けてくれと頼んだ?
お節介好きのシャシャリ出のくせにウスノロだからやられるんだ・・・、こういう奴が足手まといになるから俺は1人でやるのがいいと言ったんだぜ」
花京院はポルナレフの言い草に怒りがこみ上げ殴りかかろうとしたが、見えてしまった。
ポルナレフの靴に水滴が落ちているのを・・・。
「迷惑なんだよッ・・・自分の周りで死なれるのは・・・ッ」
「ポルナレフ・・・」
「すげー迷惑だぜッ!この俺はッ!!」
振り向いたポルナレフの目からは涙が溢れ、流れ出していた。
流れないように我慢をしようとしても後から後から溢れ、頬を伝い、地面に垂れていく。
「ま、人生の終わりってのは大抵の場合はあっけない幕切れよのォー!
さよならの一言もなく死んでいくのが普通なんだろーねぇー。
ヒヒ、悟ったことを言うようだがよォ~~~!」
「!」
里美はホル・ホースを睨みつける。
「睨みつけた顔も可愛いねぇ、お嬢ちゃん!」
アイス・フェアリーの氷結をぶつけてやろうかと思ったが思いとどまった。
ポルナレフがホル・ホースに近づいていくのが見えたからだ。
「ポルナレフ!!」
「!」
それに花京院も気づく。
「相手の挑発に乗らないでください、ポルナレフ!!」
「っ!」
「まだわからないのですか!?アヴドゥルは言った・・・『1人で闘うのは危険だ』と。
しかし、あなたはそれを無視した・・・あなたは相討ちしててでも仇を討つと考えている!
でもそれはしちゃあ駄目だ!!」
「俺に・・・・どうしろというのだ・・・」
「退いて」
「!?」
「里美・・・」
「退いて、ポルナレフ!」
「アヴドゥルは・・・背中を卑劣に刺された、妹は・・・無抵抗で殺された。
里美、お前はこの俺の『無念』を抑えて逃げろと言うのか!!」
「今はそう!!」
涙で目元を真っ赤にしながら叫ぶ。
「今は退くの!!スタンドの性質がわからない以上勝てる見込みはないから、今は退いて!!」
「カモ~ン!!ポルポールく~ん!!」
「っ!!」
なおも挑発してくるホル・ホースに我慢できなくなってきているポルナレフ。
「悔しさや怒りを感じているのは私も花京院くんも一緒!!」
「!」
その言葉に一気に怒りが引いていくポルナレフ。
確かにそうだ、自分は復讐に身を任せてアヴドゥルの忠告を無視した。
そして彼は・・・・さらにそれを目の前にしたのは自分だけじゃない。
里美や花京院も一緒だ。