杜王町編・第20話 勝機
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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ところが問題がある、ストレイ・キャットの威力は事前に試してあるので問題はない。距離も近すぎるとしても想定内だ。
しかし吉良の要る場所が問題だ、ここから狙撃するには木がどうしても邪魔なのだ。狙撃が失敗すればすべてが水の泡だ。
〈時間がないッ!もう一歩だけ木から左に・・・そのこぎたない木の影から体を左に出してくれたなら確実に『猫草』に撃たせられるのに・・・〉
すると吉良吉影はさらに木の陰に隠れてしまった。
〈な、何ィィ~~ッ!?〉
〈今朝の家での早人の目つき・・・何か・・・何か決意めいた意志を感じた。
あの忌々しい広瀬康一とくそったれの仗助に会った時と・・・・同じ目をしていた。
何かはわからんが何か企んでいる・・・・もっとも早人のやつにどうこうできるわけはないが、この吉良吉影の勘が『ここからは用心深く観察しろ』と言っている〉
吉良自身も警戒している、注意深く早人を見ている。
露伴の攻撃まであと十数秒・・・
「!」
そこで吉良の表情が変わった、早人が泣いてガタガタ震えているからだ。
「早人のやつ・・・『肥溜めで溺れかけているネズミ』みたいに絶望しているぞ。
フッ!考えすぎか・・・朝の決意めいた意志というのは気のせいだったか、ありゃあ負け犬の目だ」
吉良は木の影から身を乗り出した。
「早人、忘れていた帽子を届けに来たよ・・・」
帽子を差し出した時、左胸に衝撃が来た。
「ガッ!」
「や・・・やったッ!」
早人が吉良にストレイ・キャットの空気の弾丸を飛ばしたのだ。
「グハアァァ!」
吉良は吹っ飛び、倒れ込んだ。
「命中したぞッ!や・・・やったぞッ!」
早人は吉良に駆け寄る、目的は一つ、キラー・クイーンの『バイツァ・ダスト』を解除させるためだ。
そのために追い込みのストレイ・キャットの一撃を放とうとするが・・・。
「なっ!?」
吉良の拳が自分目掛けて打ち込まれた、幸い『バイツァ・ダスト』のキラー・クイーンが自動的に守ってくれたので当たりはしなかったが早人には信じられなかった。
ストレイ・キャットの空気弾は確かに左胸に命中したはずだ、しかし吉良吉影は立ち上がっている。
「・・・・最近・・」
「つっ!」
「爪が異常に伸びるこの時期・・・どうも私は最近全くいい事がないと思っていたが・・・ポケットの中・・・」
ジャケットの左胸ポケットから何かを取り出す。
「う、腕時計ッ・・・」
「どうやら昨夜あたりから結構ツキが私にまわってきている感じがする、今朝、ママの大切にしているカップを割ってしまったろ・・・。
あの時、手首にコーヒーがかかって火傷気味だったので・・・外して胸ポケットにしまっておいたんだ」
そのまま破壊された腕時計を落とす吉良。
「信じられない好運だ・・・もし・・・朝、コーヒーを零していなかったら・・・ね。
それよりも早人、貴様・・・・屋根裏の『猫草(ストレイ・キャット)』の事まで知っていたとはッ!」
そう言って吉良は手を振り上げようとするが止めた。
いくら自分の能力とはいえ、今の早人は『バイツァ・ダスト』で守られている。自分が能力を解除しない限り、早人への攻撃は無駄なのだ。