杜王町編・第20話 勝機
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「ママ」
「?」
「パパが・・・コーヒー、もう一杯ほしいって言ってたよ」
早人は落ち着いていた、もう三度目の朝。
不思議なくらいに落ち着いている、それは自分が覚悟を決めたからかもしれない。
「はい・・・もしもし」
鳴り出す電話にも自ら応答する。
「いえ、番号違いです。うちは『桜井』じゃありません・・・」
「はい、あなた・・・お待ちどう様」
母親が吉良にコーヒーを淹れる。
「そうだな。もう十分飲んだけど、まだ時間があるし・・・・気持ちのいい朝だ、もう一杯飲んでから仕事に行くのも悪くないな・・・」
そう言ってコーヒーを飲もうとする吉良。
〈『バイツァ・ダスト』の中では運命は変わらないんだろ・・・!!
一度破壊されたものは・・・・どう足掻いても必ず破壊される!!アンタがそう言ったんだ!!〉
「!」
ガシャァァン!!
取っ手が壊れ、左手にコーヒーを零してしまう。
〈ざまあみろ!お前にはこの『朝』、これから何が起こるか分からないッ!〉
「ああ――っ!!」
愛用していた茶器が壊れて悲鳴を上げる母親を余所に早人はランドセルを持った。
「それじゃあママ!学校へ行ってきますッ!!」
去り際に母親の頬にキスをする。
「・・・・・信じられない・・・やっぱりあいつ、何考えてるかわからないわ・・」
息子の意外な行動にびっくりしているが、あとからクスリと笑う母親。
しかし吉良の表情はどこか穏やかではなかった。
―――――――――――――――
時刻は8時24分、いつもの通学路、そして前回、前々回でも見た中年会社員と女性たちの行動。
早人は前回と同じ壁の影に身を潜めている、早人の顔も既に本になっている。ここまでは前回と同じだ。
しかし早人は焦っている、吉良が来ないのだ。
早人は吉良に仕掛けるために帽子を置いてきた、アイツが『自分の背後から来る』ように仕向けるために・・・。
だが、本来なら来るはずの吉良が来ない。
とうとう雨が降る時間になった。
自分が吉良よりも家を先に出たから運命が変わってしまったのか?
いいや、そんなはずはない・・・・アイツは来るはずだ。そう思っていると雷が鳴り、ペプシの看板に落ちた。
岸辺露伴が自動的に攻撃を受けるまであと二分・・・。
早人はもう一度後ろを振り返る。
「!」
すると杜王町のマークのダストボックスの横の木の陰に誰かいる。
「・・・・・」
吉良だ、吉良吉影だ。既に来ていた、帽子も持っている。
「今日は気分のいい朝だ・・・しかし、さっきの早人は何か妙だった・・・何か・・・勘だが、どこか妙だった・・・!」
吉良もバカではない、早人の行動に疑念を持ったのだ。何より家を出る前に自分に見せた表情、何か決意めいた目の光、それに疑念を持ったのだ。
〈何て勘のいいヤツなんだッ!しかし、もう時間がない!ここからアイツを攻撃するしかないッ!〉
早人はランドセルの中そ少し開いた、中にいたのは『猫草(ねこぐさ)』、ストレイ・キャットだ。スタンドではあるものの実体化しているので早人にも触れることが出来、尚且つキラー・クイーンに対抗できる唯一の手段だ。