杜王町編・第19話 誰か止めて
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「あ・・・ああ・・・」
早人はカッターナイフで死のうとした、自分が生きていたら仗助たちを殺してしまう。ようやく見つけた希望をみすみす消し去ってしまう。
なら自分さえいなくなれば彼らは自由にできる、自分のことから父親である川尻浩作が吉良吉影であることを突き止め倒してくれると思った。
だが、何故か自分を刺そうとしたカッターが喉元で止まってしまう、まるで何かが自決するのを遮るかのように。
「こいつはッ!」
「このスタンドはッ!」
「見間違えるはずもないッ!」
「この小僧に・・・・!!忘れもしねえッ!!一度見たらこの姿は絶対忘れねえッ!」
「キラー・クイーン!」
「正確には早人に仕掛けたキラー・クイーンの第三の爆弾『バイツァ・ダスト』だよ。
だがもう遅い、私の事を見たということは既に目の中に入ったという事なのだ・・・何人で在ろうと同時にな。
お前らは、私の正体を・・・・探った!!」
「あああ・・・ああああああああああああっ!!」
六人が無惨にも爆死するところを見て、早人の意識はまた闇に飲まれた。
―――――――――――――――
「ああっ!!」
目を覚ますとまた自室のベッドだった。
「なあ~~んだ、起きてるじゃない・・・珍しく呼ばれて返事するのはいいけど別に叫ぶ必要ないわよ」
母親が驚いた顔をしたかと思えばドアを閉めてパタパタと行ってしまう。
「・・・・・・・」
時刻は7時36分、また戻ってきた、あの朝に・・・。
「ううっ、うううう・・・・」
防げなかった、岸辺露伴に続き、彼らも攻撃されてしまった。
もうお終いだ、吉良吉影は化け物過ぎる。
ヤツが気まぐれで能力を解除しない限り、岸辺露伴と今度はあの六人まで殺される。
もう打つ手はないのか・・・。
「・・・・・・」
もう崖っぷちだ、早人の精神はもう限界だった。
しかし人間というのは良くも悪くも逞しい生き物だ、本当に追い込まれたら『何でもできそうな気分』になってきてしまう。
「アイツが死ぬか・・・自分で能力を解除するか・・・」
早人はランドセルを持ってある場所に向かった、それは屋根裏だ。
かつて思ったことがあっただろうか、こんな子供の自分が人殺しだなんて・・・・いや、絶対にできないと思っていた。
十一歳のちっぽけな少年にあんな化け物を殺せるわけなんかないと・・・・考えもしなかったと思うのだ。
でもひとつだけあった、十一歳の小僧の自分にもあの化け物を殺せる可能性が・・・たった一つだけ。
それはスタンド使いでものない早人が唯一できる方法だった。
「神様――・・・お願いします。
どうか、この僕に『人殺し』をさせてください」
早人はそう言って屋根裏にあったあるものをランドセルに仕舞い込んだのだった。
続く