杜王町編・第19話 誰か止めて
名前変換
この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ああああァァァ――ッ!!」
早人は大声を発していた、露伴が爆発した、自分の目の前で。
「え・・・?」
ところが惨たらしい現場を見た次の瞬間、見覚えのある部屋にいた。
「え?」
自室のベッドの上だ、さらに自分はパジャマ姿。時計を見れば朝の7時31分。
まさに悪夢をみて飛び起きましたという状況だ。
「どういうことだ・・・」
飛び起きて日付や曜日、そして机のランドセルの中身まで見る。同じだ、昨夜自分が用意したもの、自分が見たものだ。
そしてもっと奇妙なのは――・・・同じ朝食、同じキャスターの咳払いから始まるニュースと内容。
「・・・・・・」
さらに鏡の前で身だしなみを整えているあの男だ。
戻っている、今朝に戻っているのだ。
〈そんな――・・・そんな馬鹿な・・・〉
信じがたい現実だ、ほんの一時間前に経験したことをもう一度繰り返している。
でも、もし同じ時間を繰り返しているのだとしたら原因はわかっている。
あの男だ、吉良吉影だ。あいつが『無敵の能力』と言っていた何かを自分の中に仕掛けたのだ。
「早人、聞いてるのッ!?電話に出てって言ってるのよッ!」
「!」
そこへ母親がポットを持って入ってくる、そこで早人は思い出した。これが同じ朝なのだとしたらこの後――・・・。
「っ!?」
予想通り、母親はカーペットで足を滑らせたポットが手から落ちる。
「きゃあ――ッ」
パシッ
テーブルを掴んで体を支える母親、早人はキャッチしたポットを静かに置いた。
「な、何・・・?まるで『落っことす』のが分かってるみたいにナイスキャッチして・・・って、早人、聞こえてるなら返事くらいしなさいよ!」
そう言って母親は電話を取りに行く、どうやら母親はこの朝の不自然さには気づいていないようだ。
しかし―――・・・
「まるで落っことすのがわかってるみたいに・・・か、ククク・・・。
どうやら誰かを『ブッ飛ばして戻ってきた』ようだな、早人・・・」
自分の前に置かれたカップを持ち上げる吉良に背筋が震える早人。
「いや・・・私には能力を解除しない限り、お前が何をしてきたのかはわからんのだよ、本当に・・・」
ポットの中身を注ぎ、口に運ぶ。
「『キラー・クイーン バイツァ・ダスト』って言うんだがね・・・、自動的に私を守ってくれているんだ。
早人・・・お前の中でね、お前が私のことをそいつに喋ったら自動的に爆破が起こって・・・戻ってくる」
「つっ!」
「誰をブッ飛ばして戻ってきた?ン?教えてくれよ・・・誰を殺してきた?」
楽しそうに身を屈めて来る吉良。
「ぼ・・・僕は、誰にも喋って・・・いない」
「ははあー、そうか!なら探りを入れられたろ!きっと岸辺露伴だな、お前に喋る気がなくても相手が私の事を探ろうとお前に質問しただけでも『バイツァ・ダスト』は私を守ろうと作動する・・・そしてそいつを爆破してお前は戻ってくる!」
―――――――――――――――
〈なんとか・・・なんとかしなくては・・・〉
起こっていることの真相を知った早人はそれでも諦めなかった。
自分が喋らずとも探られずとも、吉良の事を伝える術があるはず、そして吉良を止められるのは岸辺露伴のような『能力を持つ者』だけだ。
追い込まれながらも『岸辺露伴』の存在がわかったことは早人にとって大きな希望だ。
問題は『岸辺露伴に会わずにどうやって吉良のことを伝えるか』だ。
ドアの近くで待機している吉良を死角を掻い潜って外へ出る早人、通学路の途中に見覚えのある車を見つける。
岸辺露伴のスポーツカーだ、しかしここで姿を見せるわけにもいかない、見つかるわけにもいかない。自分と会えば露伴が死んでしまう。
『運命』を変えるために必死で考える早人、ところが自分の顔に違和感が起きる。