杜王町編・第18話~アナザーワン・バイツァ・ダスト~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「ヘブション!あ~~っ、ちくしょー」
「!?」
しかし次の瞬間、露伴は信じられない者を見た。
会社の通勤中だと思わしき中年男が大きなクシャミをして尚且つ『ちくしょー』と言ったのだ。
そしてその中年男のズボンのチャックは全開で本人はそれに気づいていない。
しかし周りにはそれは丸見えだ、すれ違った女性二人がクスクスと笑っている。
「どういうことだっ・・・!い・・・一体、この小僧ッ!?」
次のページを見ると『雨が降った』とある、するとすぐに雨が降り出した。
「な、何故だ!?何故、先のことを体験しているんだ!?」
だがこれだけでは終わらない、文章はさらに続いている。
『8時27分、雷がペプシの上に落ちた』
『まさか』と思い周囲を見回す露伴、すると確かにペプシの看板の建物がある。
そして次に見るのは腕時計、『27』まで3、2、1――・・・。
ピシャアン!!
的中だ、川尻早人の資料の文章は今、現在的確に当たっている。
しかし露伴は困惑するばかりだ、先程もあったようにヘブンズ・ドアーは過去の実体験の記憶を資料にできる、今現実に起きていることは資料にはできないのだ。
そこで疑ったのは自分と同じスタンド能力だが、広瀬康一や虹村億康のようにスタンド使いでも資料にできたのは過去の記憶、見たり聞いたりしたことのみだ。
では、早人はどういう意図があって現在起きていることが資料になっているのか・・・。
読み解くためさらにページを捲ると露伴の手が震えた。
「!?」
『パパの名はキラ・ヨシカゲだ』
『殺人鬼だ、正体を見てしまった、人間じゃあない能力』
「(ゴクリ・・・)」
『パパはパパじゃあない、浄禅寺のマンションで男と女をバクハツさせて消した』
その文章に一気に露伴の気持ちは昂った、自分の睨んだ通り、早人は吉良吉影が化けた人物の関係者だった。
『パパ』、つまり彼の父親である川尻浩作が吉良吉影、とうとう掴んだ。
「・・・・?」
ところが次のページにまた疑問を持つ。
『岸辺ロハンも殺された』
『成長したキラに殺された』
「何っ・・・?」
次の瞬間だった、ページを捲る音がする。
しかし自分は捲っていない、ページの下から何かが押し出てきたのだ。
「キラー・クイーン、第三の爆弾・・・『BITETHE DUST(バイツァ・ダスト)』!!」
現れたのは小さなキラー・クイーンだった、露伴もヘブンズ・ドアーで攻撃するがキラー・クイーンをすり抜けてしまう。
「岸辺露伴、既にお前の『瞳』の中に入っている!見えているのはソレだ!」
触れられないのはキラー・クイーンはそこにいて、いない。つまり瞳の中にだけ写っているもの、鏡のように露伴の目にしか映っていないのだ。
「キラー・クイーンの第三の爆弾のスイッチは既に!作動しているッ!」
すると露伴の体からちが噴いた、よろめく露伴、何が起こっているのか。
「キラー・クイーンの第三の能力、それは早人に仕掛けた爆弾だ。
私を追ってくる者全てを消し飛ばすために作動する・・・・私の正体を探ろうと早人に近づく者には全て作動する」
「っ・・・!」
「早人が私の正体を言葉でしゃべっても作動する、文章で書いても作動する・・・」
そう、吉良吉影の不気味な自信はこの能力が生まれたからだ。
それは昨日、早人と入浴を共にした際に脅迫された吉良は謝って早人を殺してしまったのだ。
しかしいかに誤魔化したとしても時期尚早、露伴がその頃には川尻早人のことを調べていたからである。
それを吉良は潜んでいた吉廣から聞いた、露伴は必ず承太郎や里美も連れて来る筈、早人が死んだことが分かれば死因や死に至る現場状況にも疑念を抱くに違いない。
吉廣は『杜王町を出ろ』と告げるが吉良はこれを拒否した。
自分が望むのは『安寧』だ、心の休まる生活。
誰かに追跡され、ビクビク怯え、恐怖の人生などまっぴらごめんだった。
吉良は父親に食ってかかった、しかしその時だ、あの矢がまた力をもたらしたのは・・・。