杜王町編・第18話~アナザーワン・バイツァ・ダスト~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「いや、いるよ」
「つっ!!」
「途中まで一緒に行こうか・・・・早人」
帽子を頭に被せ、その上から掴んでくる。
「・・・・・・」
「スガスガしい気分になったり、絶望に落ち込んだり・・・このところいろんな事が起こるんで気分の波の差が激しいよ。
でも、これからは『安心した気分』で生活できるようになったよ・・・昨夜、君に追いつめられたおかげで『成長』できたんでね」
耳の近くでゆっくり語り掛けてくる吉良吉影。
「いや・・・昨夜の君には実に強い意志を感じたよ。この『吉良吉影』を逆に脅迫するとはね・・・」
そう言うと彼は歩き出した。
「キ・・キラ・・・ヨシカゲ・・・?」
「ハハハハ、本名を言っちゃったかな・・・?」
「や・・・やっぱり僕を殺す気か!?」
「殺す?私の秘密を知ったからかい?
そんな必要はないよ、さっきも言っただろう・・・私は『成長』したんだよ。
君がどこで誰に何をしようと私は無敵になったんだ、君にはもう興味はないよ・・・もし殺す気なら・・・とっくに昨夜のうちに始末していたよ」
『フフフ』と満足気な吉良。
「これからはみんな仲良く生活するんだよ・・・安心してね・・・親子のように・・・」
そう言うと別方向に歩き出す、駅に向かうためだ。去り際に『しっかり勉強するんだよ』とまるで本物の父親のような言葉をかけていった。
不気味な自信たっぷりのアイツに疑念は残るものの早人は一つ情報を掴んだ。
『アイツ(吉良吉影)の持っている能力は他の人物が持っている可能性があること』
しかしそれをどうやって見つけ出せばいい?
早人は考えていた、吉良は止めなければいけない。アイツは野放しにしてはいけない。
そう考えている時だった。
「君、川尻早人くん・・・だよね?」
「?」
呼び止められて振り返った早人はスポーツカーに乗った男性の姿が目に入る。
「君を待っていたんだ、僕の名は岸辺露伴。
ちょいとばかし好奇心で尋ねたいことがあってね・・・」
名乗った男は一枚の写真を早人の前に出した。
「コレに写っているの・・・君だよね?端っこにいる君のお父さんをビデオで撮ってるのかい?」
「!」
早人は咄嗟に踵を返す。
「おっと!待てよ!何をいきなり逃げ出すんだい?」
しかし簡単に露伴に掴まってしまう、さらに自分の体の皮膚が捲られている。
「!?」
「ま・・・イキナリだが面倒くさく質問するより、この川尻早人自身を読んだ方が手っ取り早いし、正直な答えが得られるといったところかな・・・・」
なんと岸辺露伴は口から聞き出すよりもスタンド能力で本にしてそこから情報を取り出すという強引な手段に切り替えたようだ。
まあ、面倒なことが苦手で尚且つ人付き合いが『超』がつくほど不器用(下手)な露伴なので、ある意味正解なのかもしれないが・・・。
ペラリと本にした早人の顔をページを捲る、しかしそこには『警告』の文字がある。
「『これより先は読んではいけない』―――・・・だって?
いきなり何だ・・・?これは?『天国の扉(ヘブンズ・ドアー)』が『本』にして読むのは、この少年が記憶している嘘偽りのない人生の体験だ。
『警告』だと?一体何なんだ?『警告』というのがこいつの体験したことなのか?」
露伴のスタンドの『ヘブンズ・ドアー』は過去に実体験をした記憶を本にして読み解くことが出来る能力だ。
露伴が今知りたいのは『吉良吉影』のことだ、それに対して早人の記憶の資料は『警告』を促している。一体何に対しての警告なのだろうか。
露伴はページを捲る。
「?」
『ズボンのチャックを開けたオヤジが通った』
さらに――・・・
『クシャミをした、ちくしょーと言った』
『女の人がクスクス笑った』
警告とあったのに全く緊張感も危機感もない文章だ、さすがに露伴も脱力してしまう。