杜王町編・第18話~アナザーワン・バイツァ・ダスト~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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そして翌日・・・。
川尻浩作の息子である早人(はやと)は何が起こっているのかわからなかった。
最近、早人は自分の父親である浩作に疑問を抱いていた。
『本当にこの人は自分の父親なのか?』と・・・。
元々浩作は妻、つまり自分の母親とは不仲であり、実子の自分にさえ関心がなかった。見栄っ張りで金にだらしがない。
早人にとって良い父親ではなかった。
しかしある時期から整理整頓をするようになり、家事や仕事をせっせとこなすようになった。そして妻にも優しくなった。
考えられないことだ、何が起こったというのか・・・・。
しかしこの時期が重要なのだ、その頃が丁度吉良吉影が重清を殺害し、服を靴のムカデ屋に修理に出し、それによって仗助たちに正体を知られた初めての時と重なる。
負傷した吉良は川尻浩作をシンデレラまで引きづり込み、殺害。辻彩に変換を強要して見事に入れ替わった。
あの日から吉良吉影は『川尻浩作』となったのだ。
そして先日、早人は自分が抱いていたものが確信に変わった。
入浴中に父親が『一緒に入ろう』と言って来たのだ。
そこで思い切って問い詰めてやった、自分が感じている違和感を・・・『お前は川尻浩作ではない!別の人間だ!』と、証拠も既に押さえている。
川尻早人という子供は賢い、まさに能ある鷹は爪を隠すとでもいうのだろうか・・・。
ビデオテープを用いて家の中や吉良の帰宅時間と自分の下校時間の重なるのを見計らって撮影していたのだ。
そして――・・・とうとう掴んだ、彼が吉良吉影が人を殺すところを!
しかしそれからまた違和感が抜けない、自分は鬼気迫る中、あの男に自分が目撃者だということを告げたのだ。
だがあの男、吉良吉影は平然としているのだ。
今も上機嫌で鏡の前で身だしなみを整えている。
「早人!電話に出てって言ってるのよッ!」
「!」
ヤツ(吉良)の不気味さに母親の声が全く耳に入っていなかった早人、母親が走って来て、うっかりカーペットで足を滑らせてしまった。
ガシャアァン!!
コーヒーを入れたポットが落ち、テーブルの上のカップやソーサーを割ってしまった。
「ああ―――っ!!あたしが大切にしてるウェッジウッドのハンティングシーンが――ッ!!」
ショックを隠せない母親は早人に詰め寄った。
「お前のせいだわ!どうしてお前はいつもあたしの事を無視するのよッ!
いいわよ!お前は母親なんかジャマくさいってわけねッ!勝手にするがいいわよッ!」
癇癪を起した母親を宥めようにもどうするべきかと早人が悩んでいると・・・・。
「まあまあ」
身だしなみを整えた吉良が微笑みながら近寄ってきたかと思うと母親の肩を抱いた。
「朝からケンカはやめようなあー、割れたんならまた買ってあげるよ」
「でもあなた――・・・」
「無口な年頃ってだけなんだよなあ?早人は・・・。
ああ、さっきの電話なら気にしないでいいよ、間違い電話だったからね」
不気味なくらい優しい笑みだ。
「家族なんだ・・・みんな仲良くしなくっちゃあなあ~~、仲良くねェ~~」
「っ・・・」
「それじゃあ仕事に出かけるか、お出かけのキスをしてもいいかな?」
早人の睨みも気にせずに吉良は母親の頬にキスをしていた。
「行ってくるよ」
気味が悪い、本当に―――・・・
ヤツが出かけた後、早人も学校に向かうため玄関を開けたのだが、どこか警戒している。
アイツと道で一緒にならないようにするためだ、幸いアイツの姿はない。
「い・・・行ったか・・・」
ホッと安堵したのもつかの間、後ろから声がする。