杜王町編・第17話 7月15日(木)の刺客
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「『氷の妖精(アイス・フェアリー)』!」
『!』
鉄棒に固定してあるのとは別に紙を伸ばし、3枚の紙を掴み上げる里美。
だが、その時・・・サインを出してしまった。
3人を救うことが間に合うかの恐怖であのサインを出してしまった。
「出したな?口の中で歯を噛み締めたな?
お前もこれで我が『エニグマ』の攻撃を受けることになるっ!」
「!」
「恐怖した人間はどう足掻こうとも我が『エニグマ』の前では無力!」
仗助を引き込んでいた紙が拡大し、中に引きずり込まれていく里美。
「くっ・・・!」
「それにしても馬鹿な奴らだ・・・罠だと分かっていたのなら放っておけば良かったものを」
「っ・・・!」
バキッ!
2人の重さとエニグマの引く力に耐えきれなかった鉄棒が折れてしまい、紙の中に落ちてしまった。
〈2人にゃ悪いが協力しなくてよかったぜ・・・もし、協力していたら、ヤツは匂いの分かる俺の方を先に始末していただろう〉
裕也は見守っていた、自分の保身のためにただ・・・。
「この世のどんなパワーだろうが『エニグマ』を止めることができないということがわかったかね?」
2人を紙の中に捕らえることが出来た輝之輔はご満悦だ。
だが、しかし・・・。
ググググッ・・・!
紙の中から鉄棒を掴んだ里美が這い出てきた。
「なっ!何だと!?」
〈鉄棒!?折れた鉄棒を一緒に引きずり込まれた仗助がクレイジー・ダイヤモンドで直して這い上がろうとしているのかッ!〉
「『放っておけば良かった』?
馬鹿言ってんじゃあないわよ、仗助くんがどうして罠だと分かっていた上で『ハトホル』と書かれたその紙を助けに言ったのか、わからないの?
例え罠であろうと『ハトホル』である可能性が1%とでもあるのなら仗助くんは助けに行く!彼はそういう人間だ!」
「つっ!」
「・・・!」
「あなたのスタンド、『エニグマ』は恐ろしい能力だよ・・・私のスタンドも力業は得意ではないしね。
ただし、最後にこれだけは言っておく!
私たちを紙にしたら娘ともどもすぐに破り捨てることを薦めるよ、もし次に私たちが無傷であなたの前に姿を現すことがあれば・・・あなたは再起不能になるどころか、殺されることになるからねっ!」
鉄棒を握る力も限界だった、里美は最期の力を振り絞って輝之輔に鉄棒を投げつける。
「!」
鉄棒は輝之輔の髪の毛を掠り、元の位置へ戻る。
「ふ、フフフフ・・・デカい口叩きやがって、全然大したことない奴らだ」
里美と仗助を引きずり込んだ紙を拾い上げる、そして自分が囮に使った3枚の紙を憎々し気に踏み潰した。
中身はいずれも紙パックの飲料水。
「噴上裕也、ヤツらに協力しなかったのは利口な判断だったな。
お前なんか簡単に始末できたんだぜ?お前の恐怖のサインは『顎を指で触る』ことだ」
「!」
「まあ、だが写真のオヤジにはお前を始末しろとは言われていない・・・命拾いしたな。お前は実に賢明な判断したんだ」
そう言うと輝之輔はまた紙を取り出して地面に置いた、それが開かれるとタクシーが出てきた。
「そうだ、特別に面白い話をしてやる。
この紙、実は開けば誰でも簡単に中にしまったものを取り出すことができるんだぜ?
でも『恐怖を抱いた者』には決して取り出せないがな」
タクシーに乗り込むと運転手に『杜王グランドホテル』へ向かうように伝えて走り去ってしまう。
「杜王グランドホテルへ・・・お泊りですか?」
「いいや、あそこにはいろいろいるからな・・・いろいろとな」
次の目標は空条承太郎とジョセフ・ジョースターだ。
『いいや、お前を杜王グランドホテルには行かせない』
「!」
振り向くと何かが追ってくる。