杜王町編・第17話 7月15日(木)の刺客
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「ハア・・・ハア・・・」
ハトホルは走っていた、静亜と待ち合わせをしているためだ。
「いけない、いけない・・・朝寝坊しちゃった!!」
今日は静亜と買い物をする予定なのだ、せっかく日本に来たのにお土産の一つも買わないで帰るのはごめんだ。
「静亜ーっ!」
「ハトホル!遅いよ!」
「ごめんね、寝坊しちゃった!」
「30分の遅刻!9時の予定だったのに9時30分になっちゃったじゃない!」
「ごめんってば!お昼ごはん奢るから!」
両手を合わせて『ごめんなさい』ポーズをするハトホル。
「ふうー・・・もう!ケーキとパフェとプリンもつけてよね!」
「デザート付け過ぎだってば・・・」
「私だけで食べるんじゃないよ?二人で分けっこしよう!でも『奢る』って言ったのはハトホルだからね~!」
「むぅ~~・・・分かったってば、早くカメユーデパートに行こう」
覚悟を決めるかと納得するハトホル。
「さ~て、何を買おうかな~?」
「う~ん!日本らしいものが良いわよね、和柄のものにしない?お揃いの和柄の小物とかバッグとか・・・」
小学校低学年と中学生になりたての子供とはいえ、やはり女子は女子。おしゃれには興味深々だ。
「ちょっと、そこのお嬢さんたち」
「「?」」
すると若い男に声をかけられた、見てみると褐色の肌に銀髪の青年がこちらを見ている。
「おはようございます、清々しい朝ですね」
「あ、おはようございます・・・」
「おはよう、ございます」
いきなりのことなので少し固まる2人。
「そんなに怖がらなくってもいいじゃあないか、お兄さんはね、ちょっと君たちと話がしたいだけなんだよ」
「な、何ですか?」
「君たちは、異性についてどう思う?」
「「はあ?」」
「僕の趣味は『人間観察』なんだよ、人のあらゆる行動に興味があるんだ。そこでね・・・自分より年下の人間も観察したいと思ったのさ、そこでちょうど君たちが通りがかったのでね。
まずは『女の子』からという風に思ったのさ」
何を言っているのだ、こいつは・・・。
趣味が『人間観察』という時点で怪しさ満点である。
「あの・・・知らない人にあまり自分のことは話さないことって母から言われているので・・・」
静亜がそう言うと青年はニヤリと笑う。
「君、今・・・僕にちょっぴり恐怖を感じたね?」
「!」
「図星か・・・君の恐怖のサインは、そう・・・『上唇と下唇を噛む』ことだ、違うかい?」
「え・・・?」
「人間の癖というのは無意識故に自覚しにくいものさ、実際、僕に言われるまで君は自分の癖に気が付かなかっただろう?
そして隣りのお嬢さん、君のサインもわかった」
「!」
ハトホルを指す青年。
「君の恐怖のサインは『髪を耳にかける』行為だ、緊張から恐怖を緩和するためにやってしまうことなんだろうね。
女の子らしい可愛い癖じゃあないか!君も唇を引き結ぶ表情は可愛らしけれど、そんなに噛んでしまったら噛み跡が残ってしまうよ?」
「「!」」
「ほら、またビビった!やれ、『エニグマ』!」
「「きゃあァァ――――!!」」
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「ん~・・・出ないな」
10時、静亜が出かけてから1時間・・・デパートも開店していて、もう入店していることだろうと思い、静亜の携帯に電話をかけている里美。
いくらスタンドの扱いに慣れてきたとはいえ静亜はまだ小学生だ、母親としてはまだまだ心配事が多い。
今回も自分のお小遣いで買い物するとは言っていたものの無駄遣いはさせまいと念押しに電話をかけようとしていたのだ。
「おかしいな・・・あの子、普段なら3コールくらいしたら出るのに」
「里美さん!」
「仗助くん、おはよ~う」
道を歩いていると反対側から仗助が走って来た。
「今日は学校じゃないの?もう10時過ぎてるよ?」
「そんなことより大変なんっスよ!康一がヤベーっスよ!」
「え?」
「吉良の親父が矢で射抜いた新手のスタンド使いが現れてっ・・・あ、でも、そいつはもう大丈夫なんっスけど!そいつが『康一が別のスタンド使いに始末された』って言ってたんっスよ!」
里美の顔が真っ青になる。