杜王町編・第15話 アトム・ハート・ファーザー~吉良吉廣~
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この小説の夢小説設定ジョジョの奇妙な冒険連載夢小説です、第3部からのスタートです。
詳しくは『設定・注意書き』をお読みください。
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「これって1983年の右手親指は『31.5cm』も伸びたってことッスか?
そういえば『1983年』っていったら杉本鈴美が殺された年っスよ!」
「この年から記録が始まっている、成長するにしたがって殺人衝動が抑えられなくなったってことか」
ページを捲ると足の爪の長さまで記録している。
「平凡を装う男の異常な趣味を見つけたってとこか・・・ココを見ろ」
ノートの右上の隅を指す承太郎。
『爪が30cm以上伸びる年、絶好調!!誰も僕を止めることはできない』とある。
「このデータは占いだ、ユダヤ商人は太陽の黒点の動きで商売の好景気不景気を見るようだが・・・吉良吉影の場合は爪の延びる長さで体調を占ったらしいな、もちろん『殺しの占い』だ」
「つっ!1999年、今年は6月でもう20cm以上も爪が伸びているッ!なんてヤツだ、病気野郎めッ!!」
「でもこれはヤツを追う手がかりにはならなそうだね、もっと他に何か・・・」
カシャッ!
「「「!」」」
その時、シャッター音のようなものが鳴った。
3人の視線が文机の上に注がれる、そこにはポラロイドカメラがある。カメラからは写真が出てきた、今まさに撮影した写真が・・・。
「こいつはよォ~・・・この家の中に誰かがいるってことっスか?」
「らしいな、2人とも油断するな」
3人の間に緊張が奔る。
「仲間がいるってことっスか?」
「それは有り得ない、吉良吉影は15年以上証拠を残さなかった。
犯罪は人間関係から知られることが多い、自分のことまで完璧に隠す男が仲間を作ることはまずない・・・つっ!承太郎・・・」
「どうした?」
「写真・・・写真を見て!」
里美は何気なくカメラが撮影した写真を見て驚いた、写真には自分と承太郎、仗助が写っている。
そこまではいい、しかしもう1人写っている。
映る筈もない人物が写っている・・・それは・・・。
「こ、こいつは・・・吉良の父親だ!」
「何っスて!?」
仗助も写真を見る、確かに映っている。吉良吉廣が・・・自分たちの背後に。
思わず自分の後ろを振り向くがそこにはだれもいない。
「どういうことだ・・・?やべーっスよ!ものすごくやべーっスよ!こいつはァァ―――!!」
「幽霊ってことかな、鈴美ちゃんのこともあるし・・・吉良の父親もあの世には行かずに魂のエネルギーになっていついているってことだね」
「ああ、見てみろよ。吉良の父親の顔を・・・『とっととこの家から帰れ』って面してるぜ」
PRRRR!!
「「「!」」」
すると固定電話が鳴り始めた。
「脅かしてんのか?幽霊のエネルギーでよォ~~!しかし、これで益々このまま帰るわけにはいかなくなったっスよ」
『さっさと電話に出んか!ウスノロがァ~~ッ!!鳴らしてんだぞ!!』
しわがれた男の声が響くと固定電話の受話器が浮かぶ、すると仗助目掛けて飛んできた。
受話器は仗助の顎に直撃して砕ける。
『「帰れ」って言いそうな面だと?逆だ、マヌケめッ!!
そのわしの顔は「お前たちをこの屋敷から絶対に帰さない」という決意だ!息子を追う者は死んでもらう!』
何て父親だ、息子の犯罪を知っていて庇おうとしている。
「てめえッ!どこに隠れていやがる、この幽霊親父ッ!!」
騒ぎを聞きつけて億康や康一もやって来るが承太郎が手で制す。
「仗助くん、ヤツは隠れてないよ」
「?」
里美が写真を手に取る。
「ヤツは私たちと同じ空間にいるよ、ほら」
「!」
吉良の父親は写真の中で電話をかけていた。
「どうやら吉良の父親のスタンドパワーのようだね、カメラで撮った対象物に対して霊体でも攻撃できるようになるとかそういった能力だろうけど・・・とにかく、写真の中から電話をかけてきて、今君に受話器を投げつけてきたんだよ」
「コ~ロ~ス~ッ・・・わしの愛する息子を追う者はコ~ロ~ス~!!」
写真の吉廣が立ち上げる。